可愛い…… 恥ずかしがってるのかな？ 瞳を閉じて自分からキスをしてくる咲也が愛おしくて、渉は咲也の体を優しく抱きしめた。 少し緊張感が漂う空気感すら可愛くて舌先で唇を突くと、躊躇いがちにも薄っすらと唇が開いて口の中へと誘い入れてくれた。 潔癖症の咲也にこんなに素直に受け入れてもらえているその優越感に渉は浸った。 「っん……、はぁ…」 キスの合間から苦しいのか、くぐもった声が漏れるがそれもまたそそられる。 このまま事に及びたい。 だけど、それは流石に許してもらえないのではとチラチラ咲也の様子を伺っていると、キスの合間に目と目が合って顔を赤くする姿にタガが外れた。 「え！？う、そ？……するの？」 するりと腰へ手を這わされ、パジャマの裾から手を入れられた咲也が動揺の声をあげた。 「嫌？嫌ならしない。でも、俺は咲也に触れたい…。だって恋人同士だろ？」 上目遣いで伺うように聞いてくる渉に咲也は返答に困った。 恋人同士 本当に？ その他多勢の中の内の一人より、頭一つ分ぐらい有利な対象だろう？ まだ、親友で幼馴染みで特別なセフレだと言われた方が分かりやすくて安心した。 でも、それを言うと渉は怒りそうだと咲也は言葉を飲み込んであやふやに首を縦に振る。 それがオッケーのサインと勘違いしたのか渉は嬉しそうに笑って、止めていた手を進め咲也の唇へ自分の唇を重ねた。 「ん、んっ……、ま、待って…」 全身を優しく撫でては舌を這わせてくる渉に咲也は静止の声をかけた。 身体中荒れて、肌触りが良くない己の身体が恥ずかしい。 触っていて気持ちいい訳がなくて、そう思うと不快な思いをさせているのではと不安が込み上がった。 ならば、そんな丁寧は前戯などいらない。 渉が気持ちよくなれればそれでいいと思えた。 「どうした？」 少し泣き出しそうな咲也に首を傾げてくる渉の中心のものはズボン越しにも分かるほど勃ち上がっている。 こんな身体の自分にもちゃんと欲情してくれているのを知って、少し安心した。 咲也は渉に誤解を与えない程度の抵抗力で体を起こすと、ベッドに座って気持ちを立て直した。 自分に出来るか不安だが、今なら可能かもしれない そう自分自身に言い聞かせると、抱きつくように覆い被さり、渉を押し倒した。