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第111話
「え!?」
渉はカチャカチャと自分のズボンのベルトを外し始める咲也に目を見開いた。
そのままボタンを外してファスナーを開け、下着越しに高ぶったものへと舌を這わされる。
「さ、咲也!?」
まさかの咲也の行動に上擦った声が出た。
「……下手かもだけど」
他の子もしてるなら自分もすると、最後の方は言葉を飲み込み咲也は一生懸命舌を這わせたりパクリと甘噛みしたり繰り返した。
我慢汁が下着に染みてきて、ほんのり渉の味が舌に伝わる。
恥ずかしさもあったが、気持ちよくなってくれてると思うと嬉しくて気持ち悪さはなかった。
これならと、今度は下着をズラする渉のものが勢いよく飛び出してきて咲也の頬を打った。
大きくて赤黒いものが目の前にそそり立ち、少し気持ちが怯んだ。
「咲也、無理しなくていいよ……」
自分の気持ちを悟ったのか、よしよしと頭を撫でてくる渉に咲也は心が温かくなった。
「大丈夫……。ちゃんとする…」
そっと、渉のものに手を添えて咲也は亀頭に舌を這わせた。
それから、渉がいつも自分にしてくれていたことを思い出しながら丁寧に根元から舐め上げていった。
最後は口に含むのだが、大き過ぎて全てを咥えられず、咲也はちゅぱちゅぱ先端を吸い上げた。
先走りの汁を丁寧に舐めて渉が少しでも気持ちよくなれるよう努めた。
その甲斐あってか、渉から熱い吐息が漏れる。
感じてくれてる
上目遣いで渉の様子を伺い見たとき、黒い瞳と目があった。
「……なに?可愛い過ぎんだけど」
頬を紅潮させる渉が囁くと、手を伸ばしてズボンと下着の中へ手を入れられ、臀部を撫でられた。
ぞくりと快感なのか悪寒なのか分からないが、背筋を何かが走る。
それを固く目を瞑って耐えると、奥の蕾を指先で突かれた。
「んっ……」
ローションもないことから少し恐怖に身を固めたが、直ぐに楽になる方法が頭の中を過ぎる。
気持ちがいいより、痛い方がいい
そっちの方が自我を保てて、渉との距離感を掴みやすいと踏んだ。
体がこれ以上、快楽に溺れないように
渉に溺れないようにと咲也は自身の中に予防線を張った。
「渉……、欲しい。挿れて…」
渉のものを口から離して紅茶色の瞳を向け、懇願する。
兄が好きだった時のことを思い出した。
本当に好きならどんな扱いも自分は耐えられるのだ。
どれほど手酷く扱われても構わない。
それが俺の強みだから……
「お願い……。早く…」
ズボンと下着を自分から脱いだ咲也は渉へ馬乗りとなった。
全く濡れてもいなければ慣らされてもいない蕾へ狂気とも取れる渉のものを添えた。
「ちょっ……、待てよ!慣らしてもないのに…」
渉が少し焦った声を出して制するのを咲也はキスをする事でそれらを阻止し、痛みを感じることを上手に隠して自分の中へと渉を迎えた。
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