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第7話
仕事がはかどらない時には、なぜか掃除など始めてしまうものだ。
凱は埋まらない原稿用紙は放り出し、拭き掃除を始めた。
デスク、本棚と拭きながら、怜也を不思議に思った。
(あいつの性格からして、俺から掃除を取り上げると思ったけど)
掃除は妻の役目、と横入りするかと思ったのだ。
だがしかし。
「凱が掃除をするなら、僕は洗濯をするね」
「お、おう」
見事に家事を分担。
こいつはなかなかやり手の妻だ。
きれい好きな怜也なら、洗濯はまかせておいて問題ない。
結果オーライ、と凱は意外に賢い妻に感心していた。
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