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第16話
橙に揺らめく炎の中に、輝かしい金と銀の光がある。
やがてそれらは絡み合い、螺旋を描きながら天空へと昇り始めた。
「クチナワサマ!」
長く尾を引く光は雲の間に消え、激しい稲妻が夜空に走った。
「あんなに晴れてたのに!?」
「見て、蒼大!」
澪が指さす方には、光が射している。
遠い天空にあったその光は、明滅しながら蒼大と澪の元へ帰ってきた。
「双頭の、大蛇……」
二人の心の中に、優しい声が響く。
『ようやく、一つになることができた』
『これからは神として、村を護ろう』
光は、石の祠へと吸い込まれていった。
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