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第3話
友喜は女性とも付き合えるバイセクシャルだったが、どちらかと言うと男好きで、美貌の同期、悟ともなかなか別れられなかった。
ふた月前、友喜は悟をいつも通り抱いた。
コトのあと、冷蔵庫から出したミネラルウォーターのボトルを悟に渡しながら、何気ない口調で友喜は言った。
「俺、結婚することになったから」
今の今まで自分を抱いておきながら、なんでもないことのように結婚話をする男を、悟は異星人でも見るような気分で眺めていた。
異星人は、悟に別れてくれと頭を下げた。
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