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第19話

8月、夏休みを取った悟は朝から部屋の掃除をしていた。夏用の掛け布団や、シーツ、枕やクッションのカバーも洗濯して干してある。真夏の日差しに照らされて、まだ干して間もないというのに、早くも乾き始めていた。 廊下に掃除機をかけ納戸にしまっていると、チャイムがなった。下のオートロックのインターホンではなく、玄関のチャイムだった。 「早かったな」 来客の予定があったのでカメラで確認することなく、悟は笑顔でドアを開けたが、そのまま凍りついた。 ドアの外には友喜が立っていた。 「よお!久しぶり‼︎」 相変わらず軽薄な笑顔だと悟は思った。 「何しに来たんだ」 ぞっとするほど低いトーンで尋ねる悟を、叱られた飼い犬のように眉毛を下げながら見つめて、友喜が言った。 「会いたかったんだよ!出張で日本に来たのに、夏休み取ってるって言うから」 悟は玄関の外に出て、後ろ手でドアを閉めた。

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