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第十七話
◇
そして、リルの発情期がやってきた。
出そうとしても、愛撫するところが後孔しかなく、疼いた熱を解き放つことができない。苦しくなり、涙が一粒流れた。だが、ガーレフの匂いを纏ったリネンの布を巻きつけると心なしか軽くなる。
(陛下に会いたい……)
そう願ったとき扉が開いた。幾重にも巻かれた布で身体を包んで縮こまっている丸みが飛び跳ねた。
「リル!」
「……へいか」
羽根布団から顔を出す。ガーレフは額に汗を浮かせているリルを見た。
「つらいか?」
「……いえ」
「一人にして悪かった」
双腕に力を込めて、息がつまるほどに抱きしめられ、唇が頬に当たった。口調は溶けるように優しく、口づけは温かさを増していた。
「んっ……」
「熱いな」
「ご、ご無礼を……」
「いい」
「は、はい……あっ」
丸めた身体を伸ばすが、太腿に淫液が伝い落ちた。火照った肌に、荒い息づかいがリルの唇から漏れた。
「来ないと思ったか?」
「……はい」
「悪い。用が立て込んで、すぐに来れなかった。申し訳ない」
つよく抱き寄せられ、ガーレフはリルの首筋にキスを繰り返す。
「……そんな、謝らないでください」
先ほどまで、慰めるものを失って、たどたどしい指先で後ろを慰めていたのが嘘のように晴れていく。
「つらい思いをさせていたな」
「そんな……ッ、……あう」
尖った胸に柔らかな舌がうねり、ざらついた表面でなぞった。片方の突起は線を引いたように沈んでおり、ガーレフはほじくるようにつついた。
「いままですまなかった」
「……あ、……ん」
優しく抱きながらも、悶えてびくびくと痙攣するリルにガーレフは口づけを繰り返す。固い膨らみを吸い、口の中にいれて、ざらついた長い舌で蕾を舐めつくした。
「あ、あ、へいか、まってください」
なにも用意していない。身体は清潔さを保っているが、香油を濡らしてもいない。しまったとリルは思った。
「どうした?」
リルが濡れた瞳でガーレフに視線を送った。
「こうゆが……ぁ……、ッ……」
欲しくてずっと待っていたところに、太い指が埋め込まれる。刺激を受けなかった肉裂を指でほぐされた。
「十分に濡れている」
「あうっ……、あっ、あっ、あ……んっ」
濡れた舌が巧みに首筋を這いまわり、指で深みを突き穿つ。リルの躰はどんどんと奥が熱くたぎり、たぎり勃ったものが内側に膨らんでいく。
「声をもっと聞きたい」
「んっ、あ……、ああああっ」
リルの口腔に空いた指を入れ、ガーレフは全身を愛撫した。
気づくと、リルの平らな陰部は先走りの露がにじみ出ていた。ガーレフは指を抜くと、リルの尻を突き出すように寝かせる。
「……あまい」
リルは驚いて、振り返った。ガーレフが自分の後孔を舐めている。
「だ、だめです……まだ香油を」
「いい。私が濡らす。こうしないとつらいだろう」
「んっ、でも、あっ……」
うねうねと動き、リルはびくびくと中で達してしまった。胸の尖った突起を長い舌でこねるように前後へゆらし吸う。解けた窄まりも舐めつくし、奥をひろげるように舌を埋めて抽挿を繰り返した。
「熱いな」
「あっ、あっ、へいか……ッ」
「ガーレフとよべ」
「……ガーレフさま」
「リル、きれいだ」
首筋を吸われ、リルはガーレフを震えながら達した。小刻みに絶頂を迎え、枕をつよく握った。
「……っ、まだ」
濡れた瞳で振り返り、リルはねだる。
「どうした?」
「……ガーレフさまのを、いれてくだ……、さい」
「いれてもよいか?」
「いれ、て……くださ…んっ」
尖った突起を吸いながら舐めて両下肢を割って、なかに腰を入れた。
剛直を当てられ、ゆっくりと沈められ、深いところまで挿入する。先端がリルの肉を引っ掻くようにぐりぐりと擦れた。棘は肉襞を引っ搔くように擦れてさらに快感を誘った。ガーレフはリルに口づけをし、さらに根元まで埋める。
「リル」
「……あ、ああ、少しだけ。ゆっくりと」
ガーレフは速度を弱め、ゆっくりと襞を押し潰した。肉を割くようにひろげられリルは満たされていく。牡茎を突き入れては少し引き戻し、戻してはくねらせた。
「……んあ、あ、あ、あああああ」
「リル、愛している」
「あ、あ、あ……、ぼくも……」
リルのか細い、泣き崩れるような声が咽喉の奥から洩れた。
ガーレフは挿入を深め、じっくりと時間をかけて硬い漲りでリルを蹂躙する。
ぱしゃっとリルの股から、弾けるように液体が放たれた。噴いた潮が幾度も飛ぶように放たれて染みをつくる。長く尾を引く悲鳴のたびに、飛沫が散った。
「ひぁっ……、あぅ」
「リル、気持ちいいのだな」
強靭な肉を衝き上げ、リルの腹部の奥を亀頭で擦りつけた。
「……は、い、あ、き、きもち、……いいです」
リルは太腿をひらいて全身でガーレフを受け入れた。
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