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EP.36
まだシャワーを浴びてもいないのに、海はスプリットタンで丹念に舐め上げた。根元の膨らみを食み、先端の窪みを舌先で抉るように舐める。
すぐにでも果ててしまいそうで、自然と腰が揺れる。海はそんな腰をがっしりと両腕で掴み固定させ、喉奥まで咥え込み口腔でのピストンを繰り返した。
「ぁ、あ」
「んん、みずくん、気持ちいい?」
「すごい、いい……」
手慣れているからか流石のテクニックで、先走りの体液までも全て飲み込まれてしまいそうな愛撫。泉帆は情けなくも喘ぐことしかできなかった。
「う、み、もう」
「出ちゃう? 出していいよ、汚さないようにするね」
そう言うなり先端を咥え、舌の腹で舐め上げつつ左手を使い擦り上げる。小指に嵌められた指輪が視覚的にも更に刺激を咥え、泉帆は堪らずその咥内へと欲を爆ぜさせてしまった。
「んんっ」
「はぁ……」
「みずくん、気持ちよかった? ね、もっとする?」
「先に風呂入らせてくれる?」
「はぁい。お風呂上がったらご飯食べて、寝るまでえっちしよ?」
「……我慢できなくなるから、今言うのは勘弁して」
「我慢なんてしなくてもいいんだよ?」
「します。あんまり君に乱暴なことはしたくないから」
大事にしたいのに、快楽に流される。海が与えようとしてくる快感への欲求に逆らえない。
泉帆は、まだ自分の前でしゃがんでいる海の顎を指でなぞり持ち上げた。
「だから、あんまり誘惑しないで。拗らせた大人ほど厄介なものはないんだからね」
「はぁい。大事にして、ずっとおれのこと愛してね?」
「それは勿論」
本人に確かめられるまでもなく、それは当然のことだ。
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