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第4話
「東堂家に飼われている獣って、あなた?」
入学式から数週間後、午前中のスケジュールをこなし学園内の広い中庭で昼食をとっていると、突然話し掛けられた。
上級生。見目の良い女だが、プライドが高そうだ。
上流階級しか在校してないとしても、獣人への差別はあり、多少なりと虐めなどのトラブルはある。
実際、権力のある者たちは好みの獣人をペットのように侍従させることもある。雪豹のレオは珍しいらしく、たびたび声をかけられたり、嫌な態度を取られたりしていた。
「ええ、何か…」
「馨さんが溺愛するほどの美しい雪豹だと聞いて見に来たら、オスじゃないの」
丸みをもった耳がピクリと動く。
オスだと何か問題でもあるのか。
「馨さんが決まった相手を作らないのは、その獣が誑かしているせいじゃないかなんて噂があるのよ」
「僕は誑かしてなど…」
「ええそうね。獣人ごときが、馨さんと同等でいようなど図々しいにも程がある。
勘違いで良かった。今度、東堂家と顔合わせがあるのよ。
父も母も獣人など大嫌いなの。馨さんまで獣臭くならないように、東堂家から早めに出ていってくださる? 結婚したら獣人の愛人が居ましたなんてことになったら、笑えないわ」
いつまで寄生するのかと蔑まされた。
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