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お前とだから大丈夫.1

『お前とだから大丈夫』  部活に励んでいれば夏休みなんてあっという間で、二学期はすぐにやって来た。    とは言えまだまだ暑くて、秋の気配は微塵もない。  部活内ではついに最上級生になって、オレたちサッカー部も凌平たちもいっそう気合に満ちた日々を送っている。  今日も今日とて部活後の汗だくのからだで、オレは部屋へと帰ってきた。寄りかかるようにして扉を開け、ただいま~と間延びした声を明るい室内へ投げかける。  けれど返事は聞こえず、オレは首を傾げながら室内を見渡した。  ここ最近はオレが先に帰宅することが多くて、けれど灯された明かりに今日は越されたなと思ったのに。凌平の姿は奥の椅子にもベッドにもない。  えー、いつから電気点けっぱだったんだろ。もしかして朝から?  寮長に知られたらとゾッとしていると、背後の扉が開いた。 「おー、純太。おかえり」 「あ、いた。ただいま」 「何やってんだ? こんなとこで」 「電気点いてんのに凌平いねーなと思って」 「あー、わりぃ。帰ってすぐ後輩に呼ばれてさ」  ちょっと出てたんだわ、と言いながら凌平はオレの脇を通って床に座りこんだ。  うあー、と濁点でも付いていそうな気怠い声をあげ、自分のベッドに頭をもたれかける。 「相変わらず頼りにされてんな」 「まぁなー……」  野球部の三年生が引退した後、凌平は新キャプテンになった。同級生のみならず年下からも上からも、何なら先生からも以前から頼りにされていたから、満場一致で決定したらしい。  その人望はキャプテンと名がついてより拍車が掛かっているようで、帰りが遅いのもそういうことだ。  友人でルームメイトのオレとしては少しはゆっくりしてほしいくらいだが、慕う奴らの気持ちもそれを無下に出来ない凌平の性格も分かる。  だから何も言えることはなくて、だからオレは何か出来ることはないかと考えている。  世話を焼かれてばかりのオレにはまだそれを見つけられていないけど。

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