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不自然な態度だったろうか。オレは急いで泡を洗い流し足早に浴槽に入ったが、それが不自然さMAXとなった。
オレたちは広い浴槽の端と端に座っていた。ちらっとそっちに眼を向ける。
冬馬は「んん?」と口をへの字に曲げた。そして、スッと立ち上がる。
彼の全身が眼に入ってしまう。何の羞恥も感じてないのか、冬馬は何処も隠すことはしていない。成長した身体と共に、性器も成長している。
オレとは色も形も大きさも、まるで違う。オレはまだ申し訳程度にしか毛も生えていないが、冬馬はもう黒々としていた。
オレは父とも歳の離れた兄とも、一緒に入浴した記憶がなく、大人の性器とはこんなものなのかと初めて知った。
一瞬見入ってしまったが、バシャバシャお湯を蹴る音にハッと我に返り眼を反らす。
「何でそんなに離れて座るんだ?」
冬馬はぴったりと寄り添うように座った。
下を向いていたオレの眼にそれはまた飛び込んでくる。
「別に意味なんか」
ぼそっと小さく答え、オレは冬馬の股間から眼を反らす為に、彼の方に顔を向けた。そうしながら、冬馬とは違ってまだ子どもっぽいそこを、さりげなく両手で隠した。
しかし、それは失敗だった。
そうした今までの行動が、冬馬の悪戯心を煽ってしまったようだ。
「何恥ずかしがってるだよ。男同士だろ。それに、一緒に入るのも初めてじゃないし」
やや色気を孕んだ悪戯っぽい笑みを浮かべ、オレの両手の間に自分の手を滑り込ませた。その大きな手でオレのに直に触れてくる。
( えーっっ )
払い除けるどころではない。
びっくりして固まった後、数秒、間 を置いてからボッと火がついたように全身が熱くなった。たぶん、顔も真っ赤だ。
( どういうこと?こういうの、男友だちでは当たり前なの?意識しすぎるオレがおかしいの? )
脳内をぐるぐるさせているオレに、冬馬は更に追い打ちをかける。
「お前、ここの毛の色も薄いんだな。それに、ここもまだ可愛いままだ」
耳許で囁かれ、やんわりと握られる。
「ん」
変な声が漏れそうになり、慌てて口を押さえる。声だけじゃない。オレは自分の性器が、冬馬の手の中で形を変えていきそうな予感さえした。
「ごめんっ」
唐突に謝って、立ち上がる。
「熱いから、もう出るっ。冬馬はゆっくり入ってて」
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