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「ごめん、シウさん。もう我慢できない」  ハルは胸許で苦しそうに囁くと、身体を離した。オレの内に入った指も抜き、自分のスラックスの前を寛げた。  ふうふうと荒い息を繰り返している。  そういえば、大分前から熱くしてたなと悠長なことを考えたが、ハルの屹立が眼に入った途端、オレは怖じ気付いた。 「ま、待って、ハル」 「待たない」  余裕なく言って、オレの両膝を掴み左右に押し開く。今まで誰の眼の前でもしたことがない、恥ずかしい体勢だ。  再び頭を擡げたオレのものも、その後ろも、ハルの眼に晒されているだけでなく、彼のそそり立つものが後口にあてがわれているのが、オレの眼からも見えてしまっている。  オレの身体は羞恥と怯えで、今まで慣らされてきたのが無駄と思える程、固く強張った。広げられた穴もきゅうっと締まったような気さえする。  それでも。  ハルは構わず、ぐっと力を込め、オレを押し開いていく。 「……いっっ」  今までの比にならないくらいの痛みと圧迫感に、言葉にならない叫びを上げる。 「きつっ」  ハルの口からも声が漏れた。  やはり入れる方も痛いのだろうか。そっちの経験もないオレには分からない。 「シウさん、もうちょい力抜いて」  と言いながら、ぐぐっともう一回力を込める。  更に痛みが増し、涙が滲みでる。 ( そんなこと言われても。どうすりゃあ…… )  痛みとハルの言葉で頭がぐるぐるしていると、腰の動きを止め、ハルがその身を重ねてきた。  顔が間近に迫ってくる。  ぺろりとオレの目許を舐め上げると、「しょっぱ」と言って微笑んだ。  じっと、色違いのオレの眼を見つめる。 「この綺麗な瞳も好きだけど」  と言いながら、そこから視線を離し、 「この口許のほくろも、色っぽくていい」  今度は口許をぺろりと舐める。そして、ちゅっと音を立てて、唇にキスをした。  こんな恋人みたいに、抱かれながら甘い言葉を言われるのは初めてで、胸が擽ったくなる。  その短いキスは、さっきの強引なキスよりも何かものがあった。  ハルはオレの肩口に顔を埋めた。 「シウさん……」  吐息のような酷く甘い囁きが耳を掠める。 「お願いだから、俺を受け入れて」  その言葉にオレは、「えっ」と小さく声を上げた。  ふふっと笑う声がする。 「まだ、全部入ってないんだ」 ( マジか…… )  こんなに痛みも圧迫感もあるのに、全部入ってないなんて。 「俺、もうイっちゃいそうなんで……。別にこのままでもいいんだけど……。できれば、シウさんの奥まで入りたい……」  しおらしい声でも、言ってることはあからさまで、それがまたオレをぞくぞくさせる。

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