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 確かに遙人を好きだと思い始めてから、触ったり触られたりすることも意識していた。  でもどちらかといえば、二年近く何もしてこない遙人が、オレに興味がなくなったのではないかという、一抹の不安からきた意識のような気がする。  自分の欲からではなく。  オレ自身は、冬馬への想いを封じてからは、そんな欲も余りなくなっていた。  でも。  今ははっきりと解る。こうされて、遙人に触れられて、身体ごと愛して欲しい欲は、オレにもやっぱりあるんだ。 **  に触れて貰えず、涙ぐみそうになる。  こんなことでと、情けなくなる。  そう思っていると、太腿を撫でていた手が、するりとハーフパンツの裾から入り込み、下着の上からそっと、オレの昂りを被う。  首筋から唇を離し、遙人がほ……っと、息を吐く。 「……?」 「良かった……」 「ハル……?」 「シウさん、ちゃんと反応してくれて。俺だけだったら、どうしようかと思った」  一旦オレのに触れていた手も、身体も離し、ふいっと横を向く。  ほんのり頬が赤い。  オレは、その言葉と顔でなんとなく察して、胡座をかいている彼の中心に、視線を流した。 ( あ…… ) オレと同じように、いや、オレ以上に。柔らかな布地のハーフパンツが、不自然に盛り上がっている。 「、強引にしまったから。こういうことするの怖くなって、反応しないんじゃないかと」    いつもと同じように平坦に話しているようで、何処か弱々しさを感じる。 「シウさんの気持ちが、何処まで俺にあるのか。あの時の記憶を越えて、反応してくれる程なのか。それが、怖かった……。もし、事に及んで拒絶されたら、俺はもう立ち直れない」 ( なに、可愛いこと、言ってくれちゃってるの。そんな顔で )  男らしさ全開で、こういう色事にも慣れてる男が、こんな顔してこんなこと言うなんて。  可愛すぎて、なんかきゅんとくる。  ギャップ萌えってヤツか。  しかし。  そう思ったのも束の間。  離した身体をまたすぐに密着させる。 「ねぇ、シウさん」  もう声音も違う。甘くて何処か淫靡な色が滲む。 「自分では余りって前に言ってたけど、今もそうなの?」  耳許で囁く。 「え?」  それにすぐに答えられずにいると、あっという間にオレのハーフパンツを下着ごと下げ、オレの昂りを外に出した。そして、何か熱い塊と一緒に握り込まれる。  それは、いつの間にか同じように外に出されていた、遙人の熱い昂りだった。  手際の良さに舌を巻く。  ゆっくりと両手で扱ごかれ、ふるっと身体が震える。 「ん……」  オレの口から吐息が零れると同時に、冬馬とした時のことが、脳裏を掠める。 ( あの時は……)

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