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また、ゆっくりゆっくりと。
でも、圧倒的な力で内壁を押し広げ、奥へ奥へと入り込んでくる。
「あ……っ……んんっっ」
遙人が力を入れる度にオレの口から声が漏れる。
ふいに遙人がまた動きを止めた。
最後まで入り切ったのだろうか。
オレは自分の腹の辺りを撫でた。
( ここに、ハルのが…… )
なんだか、愛おしい。
あの時とは全く違う気持ちだ。
あの時も結局最後は流された。
でも、流されるのと、自ら受け入れるのとでは全然違う。
オレ自身も、もっと、ハルが欲しいと思っている。もっと、繋がりたいと思っている。
心も肉体 も。
それが、オレの身体の変化をもたらしているのだろう。
アレに媚薬が入ってるからとかではなく。
もどかしいくらいに気遣われ、時間をかけて優しく解され、そして、遙人を受け入れたいという気持ちが、きっと肉体をもひらかせているんだ。
ちょっと意地悪されたり、言葉で責められたりするけど。
その辺もギャップがあって、ぞくぞくするというか。
新たな自分を発見、て感じ。
**
「シウさん」
耳許で名前を呼ばれた。それで遙人が、自分の頬をオレの頬にぴったりくっつけていたことに気づく。
「ほんとは、うつ伏せの方が楽だと思うんだけど。シウさんの感じてる顔を見たいから。優しくするって言ったのに、ごめんね」
叱られた子どものような弱々しい声。
そう言えば、あの日も最初以外はうつ伏せだった。
時々こうやって、歳下感だしてくるの、ズルすぎる。
オレはポンポンと遙人の頭を撫でた。
「大丈夫。オレもおまえの顔見たいから。おまえは充分優しくしてくれてるよ」
遙人の可愛さにほっこりしたせいか、熱さが少し落ち着く。それを悟ったのか、彼は根元を掴んでいた手を離した。
「シウさん、それ、煽ってますよ」
「へっ?」
両手でオレの顔を包む。
ちゅっと唇を啄む。それからしっとりと被い、割れ目をつつく。オレは唇を薄くひらき、彼の舌を招き入れた。どちらからともなく、舌を絡め合う。
その最中遙人の両手が何処かへ消えていき、少し寂しい。
「んっ?!!」
腹の辺りに一瞬冷たい感触。
それから片手が頬に戻ってきて。
「んんんん」
何事もなかったかのように唇を貪り続けているけど、頬に戻ってきた手は妙にぬるついていた。
腹を這い回る手も。
さっきオレの後ろを解したゼリーを腹に落として、塗りつけている。粘膜ではないせいか、そこ程熱くなるような感じはしない。
でも。
今までにない感触。
その手が腹から胸へ。乳首を摘まみ上げられ、ぐりぐりとゼリーを塗り込めるようにして弄られる。そこだけは、他の場所より熱くなっていく。
なんていうか……。
さっきよりも、もっと、ずっと……。
( 気持ちイイ……? )
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