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第40話 変化

 後ろから抱き締められて、キスをされた。  優しい唇だけれど、舌は少し強いくらいに濃厚に絡みつく。そんなキス。 「ンっ」  身体を捻って、背後にいるミツナのキスに応えていると、服の中へと手が侵入してきて、乳首を摘んだ。  指に摘まれて、反応してしまうその小さな乳首を指の柔らかいところで押し潰すように撫でられると、嬉しそうに硬くなっているのを実感してしまう。 「んっ……ンンンっ」  爪でカリカリ引っ掻かれると切ないなんて思ってしまう。 「ンっ」  それにこの体勢がまるでミツナの指に自分から乳首を押し付けて、可愛がって欲しいと懇願しているみたいな体勢で。 「あっ」  本当に、乳首を可愛がって欲しいって懇願しているって、蕩けた頭が覚えていく。 「悠壱……」 「あぁっン」  この指がとても気持ち良いって。 「やらしい顔」 「っ」  ミツナの指を覚えていく。 「っ、悠壱」  服越しに撫でるとそのくびれすら手で形を想像できるくらいに硬く反り返っていた。  ミツナのルームウエアを下着ごとズリ下げると、もう硬くなっていたそれが飛び出して、前屈みにミツナの脚の間でうずくまっていた俺の頬を軽く叩いた。 「ン……む」  そのペニスにしゃぶりついて、頬の内側を窄めて扱く。 「っ、気持ち、い」  ミツナの感想に嬉しくなって、もっと舌を絡めて、丁寧に、きつく唇で扱きながら、先端を舌の先でほじって見せた。 「っ」  そのまま音をさせながらまたしゃぶって、扱いて、喉の奥まで届きそうなくらい、深くまでペニスを咥え込んで。  口から離したら、唾液でびしょ濡れのペニスの裏に吸い付くようにキスをした。音の出るように唇を尖らせて、吸って、今度は頭を傾けながら喰むように裏筋に唇を這わせていく。下から、上へ。辿り着いた先端にキスをすると、微かにミツナの味がした。 「ン」 「やらしいフェラ」  ミツナがまるで褒めてくれるように俺の髪を撫でた。 「悠壱?」 「っ、あっ」 「悠……」  今度はミツナのペニスが入るように。 「あっ」  自分の手を後に回し、指を挿れた。そのまま指を一本挿れて、何度か行き来をさせたら、二本にして、また。 「はぁっ」  膝立ちになってミツナの目の前で後ろを弄って、一人でやらしい声を上げて。ミツナに抱かれる準備をしている自分を披露する。 「あんたってさ……する度にエロくなるね」 「あ、あっ」  片手で孔を広げながら、もう一方の手で中をほぐしているから、前がおざなりで。 「あぁぁぁぁっ」  前で我慢できないと雫を溢れさせる俺のをミツナの手が握ってくれた。そして、両手を後ろに持っていってるせいでまるで晒すようにほったらかしにされた、さっきまで可愛がられて喜んでいた乳首にミツナがキスをくれる。 「あ、あ、あ、あっダメっ、ミツナ」  乳首に歯を立てられて、ペニスをその手に扱いてもらえて。 「あぁぁっ」  たまらないんだ。 「あ、あ、あっ」  ほら、腰が一人でに動いて、自分の指なのにはしたなく揺れて、ミツナの手の中で自分からペニスを擦り付けて。ミツナの舌に乳首を押し付けた。 「あっン……ミツナ」  こんな声を出せたっけ? 「あ、もう……」 「何? 悠壱、言ってよ」  乳首で俺はこんなに感じていたっけ? 「言って?」 「……ぁ」  俺はこんなに濡れやすくて感じやすい身体をしていたっけ? 「欲しい、この硬いのが……」 「……」 「早く、俺のこと」  俺はこんなに。 「犯して」  抱かれるための身体をしていたっけ。 「あっ」  腰を両手で引き寄せられて、そのまま抱き締められる。太腿の内側にペニスの切先が触れて、さっきしゃぶりついた時の自分の唾液が擦り付けられた。 「あぁっ」  そして孔で咥え込んでいた指をミツナに引き抜かれ、そのまま両手を重ねるように繋いで、尻を広げるように促される。自分から懇願したように犯してもらうために、そこを拡げて、待ち構えて。  ヒクついた孔に先端が触れて。 「あっ」  そのままズブズブと一気に柔くほぐしたばかりの孔を挿し貫かれたら。 「あぁぁぁぁぁぁっ」  達してた。 「あっ……」 「やらしい……」 「あぁっ」  根本まで一気に身体の中に押し込まれたら、たまらなく気持ち良かった。奥に届くそれがたまらなく心地良かった。指じゃ届かない、奥のところ。 「はぁっ」  そしてイッたばかりなのに擦り上げられるように中を撫でられて震えるほど感じてる。 「あぁっン、あっ……ン」  こんなやらしい声をあげる。 「はぁっ、あ、あ、乳首、気持ち、ぃ」  噛まれるとたまらない。 「あ、あ」 「エロすぎ、中、気持ちいいんだ? 自分でも動いたりして」 「あぁぁっン」  後ろの快楽でイケるくらい。 「悠壱」 「あ、あ、あ、あっ」  俺の身体は抱かれるように作り替えられた。 「あっ」  ミツナに。 「悠壱? 何、……」  その男にキスをした。跨って、自分からペニスを深く受け入れながら、今まで知らなかった快楽に酔いしれながら。  ―― えぇー! でも、ミツナさんとならどんな苦労だって! った方だったら。  ―― もし、そんな人がいたら。 「もっと……」 「悠、」  ―― それこそ俺から離れるかなぁ。そんな人こそ幸せになって欲しいから。  あまりにもこの行為が甘くて、気持ち良くて、身体いっぱいにミツナで埋まるのがたまらなく嬉しいから。もう、いいと思ったんだ。  最初苦しさの方が勝っていたセックスが、こんなに気持ちいいものになるのなら。  不幸も苦労も、何もかも、前まで知っていた「幸せ」よりも俺にとってにはこっちの方が「幸せ」に変わるんじゃないかって思ったんだ。 「もっと、犯して」  苦しさすら快感に変わるように。  不幸すら――。

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