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初旅行編 7 乱れた浴衣の隙間から

 夕食はとても豪華で美味しかった。  湖の近くだからか海鮮よりも山のものがふんだんで、実紘が野菜が美味いと嬉しそうに食べていた。  完全個室、というよりも、食事をするためだけの離れ、といった感じで、他の宿泊客には一度も会うことはなかった。部屋にあった浴衣のまま来てもらって構わないと言っていたのは、多分、その離れの建物自体がそれぞれの客室の隣に用意されていて、他人の目には一切触れることがないから、ということだったんだと思う。  本当に完全プライベート空間になっている。  そのせいもあったかもしれない、ワインもとても美味しくて、少し飲みすぎた。  俺は少し立ち上がると足元がふわりとしていたし、実紘は部屋のある建物まで続く石畳を歩く足取りが、ちょっと子どもみたいにはしゃいでた。  部屋に戻ると、実紘は浴衣なのも気にせず足を投げ出すようにリビングのソファに身体を預けて、天井の木彫りの装飾をじっと眺めてる。 「……実紘、水」  そっと声をかけると、ゆっくりと背後にいる俺の方へと振り返って、水を受け取った。  その時、少しだけ触れた指先はとても熱かった。きっとアルコールが回っているせいだ。ほら、喉だって乾いたようだし。コップ一杯の水をあっという間に飲み干してしまった。 「寝るなら、ベッドに、っ」 「寝るの?」  俺を捕まえて引き寄せた指先が、熱い。 「運転、疲れたよね。寝たい?」  実紘の上に跨って座って、触れる太腿の内側がとても熱い。 「寝たいよね」 「いや、俺じゃなくて、実、」 「でも、寝ないでよ」  抱き締められて、俺の胸に顔を埋めながら、我儘な子どものようなことを言う実紘の吐息が熱い。 「まだ、寝ないで」  懇願する実紘の。 「ん……ン」  触れる唇と舌が熱い。 「ん、ふっ……」  抱っこされながら、下から覗き込むように俺を見つめる実紘がまるで何かを乞うように首を傾げて、キスをする。 「ン」  舌を絡ませて、唾液を流し込むように深く口付けて、小さく唇を噛まれるとたまらなくなった。 「あっ……」 「浴衣の悠壱、エロすぎ」 「な、に言って……ンっ、ン」  指先でクイッと浴衣の襟をひっぱられると、すぐに乱れた布の合わせ目。そして、チラリと覗く、さっき、露天風呂のところで散々可愛がられたせいで、今も甘いお菓子みたいな赤色をした乳首を、実紘の唇が咥えてくれる。 「はぁっ……あ、それっ」  気持ち良くて、跨ったまま、実紘の頭を抱え込んだ。 「あっ、ン」  まるで女性のように胸への愛撫に身悶えて。 「はぁっ」  震えた拍子に肩から浴衣が滑り落ちて。 「こ、れ」 「悠壱」 「すご、い」 「そりゃ、だって、浴衣姿の悠壱がやばいからじゃん、っ、悠壱っ」  実紘は苦笑いをこぼして、息をつめた。  俺が触れたのは実紘の。もうすでに硬くなっていた熱にそっと手で触れてから。もっと敏感なところで撫でて、愛撫したくなる。 「っ」  指じゃなくて。もっと敏感で、実紘のことをたまらなく愛おしくて仕方がないと潤んでいる、柔いところを使って、撫でてあげたくてたまらない。びくんと跳ねた実紘の上から降りると、その脚と脚の間にしゃがみ込んだ。 「ン」  布の合わせ目を払って、下着を手で下げると狭かったと熱が跳ねて、頬に触れる。 「ん……む」  それを口に咥えた。ジュブジュブと音を立ててしゃぶりつくと、途端に口の中で暴れたがって、むくむくと更に大きくなる。 「ん……」 「はっ、悠壱」 「ン、んっ」  口に咥えて、何度か扱いて、丁寧に実紘のペニスにキスをする。 「ん」  根元に唇で吸い付きながら手で太い部分を擦ってやる。実紘が感じるように、頬を熱に擦り付けると、ソファに沈むように座っていた実紘が、気持ちいと呼吸を乱してくれた。 「やば……悠壱」 「ん、ン」 「ね、悠壱」 「!」  まだ、口で奉仕したかったのに。腕を引っ張られて、抱き上げられてしまった。 「もう、挿れたい」 「あっ」 「ね、ここに」  指が孔にやらしい悪戯をする。指をほんのちょっとだけ挿れて、でもすぐに抜いて、またちょっとだけ挿れて。期待してるのに、その期待を無視するように指は何度も浅いところだけに触れてくれる。 「俺の、挿れさせてよ」 「あ、あ、あ、も、ぉ……あぁぁぁあっ!」 「っ」 「あっ、ン、実紘」  根元まで全部飲み込んだ瞬間、達してた。 「悠壱、エロ」 「あ、だって」 「はっ、腰、揺れてる」 「ン、あ、だって」  達しながら、乱れた浴衣をもっと乱して、帯だけキュッと締めてある腰を揺らして、中で実紘のペニスをしゃぶる。上下に動かしながら、中を自分から擦りながら、達してる身体で大胆に実紘のことを頬張った。 「ずっと、実紘と」 「っ」  中、気持ちい。  ここ、ここを擦られると、たまらなく気持ち良くて、甘イキが止まらなくなる。小さく、ずっと達したまま、身体は熱に蕩けて仕方ない。 「ずっと、したくてたまらなかったから」  世界が欲する男。  誰もが欲しくてたまらないと手を伸ばす男を。この旅行の間は本当に独り占めできるんだ。誰にも邪魔されず、誰にもこの容姿を見せもせず、全て、丸ごと、独り占めできる。 「あっ……あぁ、深いっ」  尻を鷲掴みにされて、割り開かれた、そこに実紘の熱が深くまで突き刺さる。 「ああぁっ、ん」  半裸に乱れた浴衣も気にせず、神様すら見惚れるだろう実紘が、俺の中で気持ち良さそうに顔を歪めてくれるのが嬉しくて。 「あ、イクっ……イクっ」  また、達していた。 「実紘っ」  甘ったるい声をあげながら、奥まで全部実紘のペニスで抉じ開けて悦ぶこの身体をくねらせた。

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