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二人で媚薬編 4 星空

 サバンナの草原で見た星空はただの絶景じゃなくて、その輝く一粒ずつが生きている星って感じられて、圧倒されるほどなんだ。  その星空の光が少しずつ少しずつ明るくなっていく空の色に溶けるように馴染んで、見えなくなって、今度はそんな命を感じられるくらいに輝いていた星以上に、力強い光を放つ朝日が葉一枚一枚まで緑の色を鮮やかに照らしていく。そして朝日の温かさに世界が嬉しそうに輝いて、動物たちが動き始める――。  瞬き一つ、駆け回って乱れた呼吸一つ、その草原の葉を踏み締める足音ひとつ、息を呑むほど一瞬一瞬に圧倒されて。  すごいよ。  ものすごいんだ。  一生、この景色を俺は追いかけ続けていくんだと思ってた。  でも。 「やっぱりこの車にして正解だったね」 「っ」 「頭、ぶつかんない」 「そのための屋根じゃない、だろ、あっ……」  そのための屋根でしょ、ニコッと笑いながら、実紘が腰を素早く突き上げて。俺は実紘の熱に下からクンと奥を突かれて、甘い声を車内に響かせた。車の中はストーブは持ち込めなくて寒いはずなのに、二人の乱れた呼吸に熱いくらい。  それに――。 「っ、んっ……あ、実紘っ」 「気持ちいい? 悠壱」  それに、実紘の熱を身体の中ですごく感じられて、たまらなくて。頷きながら、孔が、身体が、ぎゅっと実紘にしがみつく。 「悠壱ん中、すげぇ熱い……」 「ん、あっ」  熱いのは実紘の方だ。熱くて、溶かされそうなくらい。奥をノックする先端の感じも、内側を擦り上げてくれる太さも、全部、全部、鮮明で。 「あぁっ……はぁっ」 「いいよ、好きに動いて」 「あっ」  恥ずかしいのに。 「あぁっ」 「っ、悠壱」 「あ、あ、あ」  車の中でセックスに溺れたりして。  外とたいして変わらない場所なのに。濃いスモークで中が見えなくたって。声が漏れる。大きくて重量感がある車だって、きっと多少は揺れてる。  屋外でカーセックスしてるってって、きっと、わかってしまう。 「あぁっ、あ、あ」  なのに、実紘に跨って腰を振りたくるのを止められない。自分の好きに実紘のを咥え込んで、夢中になって味わってる。 「はぁっ」  たまらない。  もっと奥に欲しいんだ。  実紘のこの先端で、奥を抉じ開けられたい。 「あ、あ、あぁっ、ン」  それから、このカリの、とこで。 「あ、あ、あっ」  擦り上げられたい。孔の口の、ここを。 「はぁっ」  いっぱいに広げられて、激しく行き来させて、太さを感じたい。 「あぁっ!」  実紘のを、たくさん。 「……やば」 「!」  夢中になって腰を振りたくってた。ここが車の中だってことも忘れて、サンルーフをオープンにして激しくその車内が揺らしてることも気にせず、実紘を欲しがってた。  その熱に掠れた実紘の声にハッとした瞬間。 「今の悠壱、めちゃくちゃエロくて、やばい」  世界がぐるりと変わる。 「そんなに俺の、これ」 「あぁぁぁぁっ」 「気持ちい?」 「あぁっ」  実紘に組み敷かれて、身体をいっぱいに広げられる快感に外に丸聞こえだろうけれど、甘ったるい嬌声を溢した。 「俺の上で夢中になって、腰振ってる悠壱、すげぇ、興奮する」 「あ、あ、あ」 「奥に欲しいんだ?」  そう、もっと奥。自分じゃ、怖くてそこまでいけない、本当の奥。 「ここもたくさん擦られたい?」 「あぁっ」 「自分でここにちょうど良く当てて、これ、カウパー垂らして、すげぇエロぃ」 「あっ!」  思わず手を出して、実紘の手を止めようとした。今、前、扱かれたら頭がおかしくなりそう。中から根元を撫でられながら、その手に扱かれる快感に。 「浅いとこも好きだもんね。指でしたげると、悠壱が物欲しそうに気持ち良さそうにしてくれる」 「あ、もっ」  小刻みに行き来されると、口が気持ち良さそうに実紘を締め付けてるのを感じる。吸い付いて、しゃぶりついてるのを鮮明に感じて、たまらなくなる。 「う……あっ、あ、あ」 「気持ちい……」 「あ、実紘っ」 「?」  手を伸ばした。  あの頃夢中になって追いかけていた星空もこの景色には勝てない。  どんな星よりも輝く瞳も、その星が散りばめられた漆黒の夜空も。 「実紘」 「うん」 「中に」 「いいの?」 「う、ん、欲し……い」  この、誰よりも、何よりも美しい実紘には。 「やった」 「あぁっ」 「中に出すよ」 「う、んっ……あぁっ、激しい」 「全部、飲んで、俺の」  勝てない。 「ね、悠壱」 「あっ」 「すげぇ」 「あぁぁ」  奥に来てくれた。  好きと、キスしながら。  実紘のこの熱しか入ったことのない奥に。 「あ、あ、あっ」  そして、奥まで来て欲しくてしかたのなかった俺は、はしたないほど、脚をいっぱいに広げて、開いて。この身体の奥深くに突き立てられる度に恥ずかしいほど濡れた音と、甘ったるい喘ぎを溢して。 「あ、あ、イクっ」 「っ」 「イッくっ……っ、あぁぁぁぁ」  この誰よりも美しい実紘に必死になってしがみついた。 「実紘、イクっ」 「いいよ。俺も、中でイク」 「あぁ、奥に、奥、にっ」 「悠壱の中でイかせて」 「あ、あぁぁ」  奥でしゃぶりつきながら、キスで舌先を絡めて、足で腕でしがみついて、この何よりも綺麗な男を独り占めした。

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