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ハッピーバレンタイン編 2 繋がる
びっくりした。
まさか、街中で実紘に会えるなんて。
ほんの数分のために仕事の合間にわざわざ来てくれるなんて想像もしなかった。
確かに、今朝、俺が一人で写真集の件で打ち合わせるのはどこでなのかと訊かれたけれど、ただの日常会話の一つだと思うだろう? そっか、なんて、実紘もちっとも気のない返事をしていたし。
全然俺の方もただの日常会話の一つだと思ってたし。
だから、すごく驚いた。
それから、嬉しかった。
最近、あまりゆっくり二人で過ごす時間がなかったから。けれど、ミツナとして人気も上がって、成長していくところを見守るのもやっぱり好きだから、応援もしていて。でも、やっぱり二人で過ごしたいとも思ってて。
五分でも、もっと短くても、ああして、会ってくれたのはたまらなく嬉しかったんだ。
それに――。
――お兄さん、ちょっとどこかでお茶しよーよ。
なんて。ナンパの真似事なんて面白いことをするから、あの後、一人で帰りながら、ずっと笑いそうになって困ったんだ。電車の中で一人笑ってたら変な奴だから一生懸命に堪えたけど。
「? えー、何、笑ってんの?」
「っ、ン」
実紘がそう言って、不服そうな顔をした。
「セックスの最中に考え事?」
「っ、あっ、いきなりっ、奥っ」
クンって、奥に腰を打ち付けられた快感に背中を丸めて、実紘の首にしがみつくと、実紘のサラサラな髪を手櫛で乱してく。
「こっちに集中してよ」
「してるっ、あぁ、そこっ」
「悠壱の好きなとこ、撫でてあげるから」
「っ、あっ」
小刻みに前立腺を実紘ので擦られて、中が気持ち良さそうに実紘の熱を締め付ける。濡れた音が部屋に響いて、実紘の形をしっかり覚えた中が、吸い付くようにしゃぶりつく。
「気持ちー……悠壱の中」
「あぁっ」
そして中の締め付けを堪能するように腰をゆっくり動かしながら、背中を丸めて、敏感になっている乳首を噛んでくれる。舌で転がすように、その硬さを楽しんでから、丁寧に胸にキスしてくれる。
「っ、中、締まった。すげ、イきそ」
そう言って、気持ち良さそうにしかめっ面をしながら、真っ黒に染め直された前髪をかき上げた。
刑事役だから黒髪にしたんだ。前の明るい色もすごく似合ってた。実紘は結構頻繁に髪色を変える。この前まではアッシュシルバーだったし、その前はミルクティーカラーのブロンドだった。けど、黒は初めてで、新鮮だ。
もちろん、どの実紘も綺麗で好きだけど。
そういえば、写真集には髪を黒に戻す前のミツナばかりだ。
黒髪の、このミツナも入れたいな。
あどけなさが薄れて、代わりに色気が増した黒髪のミツナ。
「あー、ほら、またなんか考えてる」
「っ、あっ、考えてる、のは、実紘のことっだって」
「本当に?」
「あ、あぁっ」
奥を攻められて、言葉が甘い喘ぎに押しのけられていく。
中も、愛撫でそこかしこにキスマークがついた肌も、実紘と交わすキスで濡れた唇も、全部が気持ち良くて、それしか考えられなくなる。
実紘の。
これで。
「今日、あそこで会えると、思ってなくてっ」
「昼間?」
「ン、そっ、おっ……それ、に、黒髪、似合って、るっ」
言いながら、実紘に突かれる快感に酔いしれた指先で、サラサラの黒髪に触れた。
一応、メガネとマスクしてても、やっぱりどこか目を引くんだ。顔が見えなくても、あれは……って、ふと振り返ってしまう。それこそ、オーラってやつなのかもしれない。
俺を一瞬で虜にした、何より美しい存在。
「ありがと」
「ン」
実紘がその手を掴んで、手のひらにキスをしてくれる。唇が触れて、それから、手のひらの柔らかいところを齧られて、胸の奥が甘く疼いた。
「実紘、あっ」
「悠壱」
「あ、あっ、激しっ」
突き上げる速度が、強さが、増してく。
中を掻き分けて、抉じ開けられる快感がたまらなくて実紘のにしゃぶりついて。もっと奥まで、全部実紘のだって伝わるように足をいっぱいに開いて見せた。もっとって、離したくないって締め付けてる、その繋がったところをじっと見つめる瞳に快感が増す。
「あぁぁっ」
「悠壱」
実紘のこと以外なんて考えるわけがない。
「あ、あ、あ、そこっ」
「イこ、一緒に」
「あ、ンっ」
こんなに綺麗で、髪の先から、指先、吐息、瞬きの仕草、不服を溢す時の唇の形だって、何もかも。
「あっ、実紘っ、もっと奥っにっ、あ、あ、奥に来てっ、欲しいっ」
「いいの? 明日、腰、しんどくない?」
「な、イっ」
実紘をこの一瞬だけでも独り占めできるのなら、なんだってする。実紘のものになれるのなら、どんなことだって、したい。
この男を、自分のものにできるのなら。
「いくよ?」
その瞬間、腰を強く引き寄せて、実紘の熱が奥を、一気に貫いた。
言葉にならない甘い声をあげて、最奥を実紘に犯ししてもらえた瞬間――。
「あ、あぁぁぁぁぁっ」
星がチカチカと瞬く中。
「っ、悠壱」
「あっ……っ、っ」
「すげぇ、好き」
そう囁いてくれる、一番輝く星を抱き締めた。
「実紘っ」
誰にもあげないと、必死にしがみついた。
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