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第113話

 ミツナの写真を選び直すっていう仕事があってよかった。 「これも……いいかもな……」  独り言すら大きく聞こえるくらい、なんだかがらんとしたリビングでノートパソコンを開いてた。  実紘がいれば、何してるの? と、戯れてくるか、そんな画面の向こうの「ミツナ」じゃなくて、実紘をかまえと隣で賑やかだけれど。 「こっちも……って、これじゃ枚数オーバーするか」  もしくはこの仕事がなかったら俺も海外に一緒に行けてたのか? いや、でも、ドラマの撮影のために海外なわけで、写真、じゃないわけだから、俺の分の旅費は無駄な経費だし。あ、自分で支払えば別に構わない? いやぁ、でも、飛行機だ、ホテルだって帯同していれば色々とちょっと面倒か。会社としては一人分、ミツナの分だけ用意すればいいはずなのに、ミツナはきっと俺と同室がいいとか言い出したりして。結局経費は二人分。  そしたら、同じホテルに俺が個人で部屋を予約だけして、夜にでも合流……は、無理か。パパラッチが張り付いているかもしれないし。  俺とこの関係になる前はちょくちょくプライベートがゴシップされていた。もちろん、今ほど絶頂の人気じゃなかったからそこまで痛手ではなかっただろうけれど。今はゴシップなんて出回れば大変な騒ぎになるんだろう。  もちろん、ゴシップネタになるようなことを今のミツナは起こさないけれど。  今、パートナーがいると公言している。そのミツナが海外滞在の間にパートナー以外と、なんてゴシップ目当てに張り込んでいるかもしれない。もちろん、そこで夜這いに行くのは浮気相手じゃなくてパートナーの俺だけど。  っていうか、夜這いって、なんだ。  自分で思っておいてなんだけど、すごいワードだな。  夜這い。  でも、ミツナの海外の仕事にも同行、公私混同、夜は本来は写真カメラマンは必要のない仕事に同行させるワガママタレント? パートナーを部屋へ招き入れ……なんて、心象はあまり良くないだろう。スポンサーだっているわけだし。  俺は大人しくうちで留守番が一番良い。 「……っぷ」  なんてこと仕事の手を止めてまで考えてる自分がおかしくて笑った。  たったの一週間だろう? なんて宥めて送り出したくせに、頭の中は実紘でいっぱいだなんて。 「……」  ふと、時計を見た。今は午後の三時。マイナス、八時間だから……。  向こうは昨日の朝の七時か。朝食を食べ終わった頃かな。最初の頃は朝食なんて食べていなかったけれど、最近は朝食を食べるようになった。洋食よりも和食派で。朝からおにぎりなんて出すと嬉しそうに食べてくれるっけ。  向こうじゃ、日本食は難しいかな。  それを食べ終わったら急いでスタッフに合流。  マネージャーが付き添ってるから色々大丈夫だろうけれど。 「……」  忙しいだろうな。  着替えて、顔を洗って。  ――まだ眠いぃ。  そうぼやいてるかもしれない。  ――髪型、ビミョー。黒髪、これ似合ってる?  なんて言ってご機嫌が斜めかもしれない。数年ぶりの黒髪は追いかけてた俺やファンの人たち以上に、本人が一番しっくり来てないみたいだったから。  ――あ、もう行かないとじゃん。  そんなことを呟いて、コートのポケットに手を入れて。  ――行ってきます。  って。 「……っ」  実紘のお気に入りのクッション。 「……っ、ン」  いつもうたた寝する時はこのクッションを枕にしてるか、抱き抱えてる。 「……っ」  もう俺と実紘の匂いは混じってしまって、実紘を鼻先で感じられることは少なくなったけど。 「っ」  何、してんだろ。 「くぅ……っン」  胸まで服を捲り上げながら、実紘のお気に入りのクッションを抱き抱えて、自分のいじったりして。 「あっ」  まだ昼間の三時なのに。 「あっ……ぁ」  実紘のクッション、気持ち、ぃ。上質なベルベッドが肌に触れるとたまらなくゾクゾクした。 「あぁっ」  それで乳首を擦りながら、下着の中を弄ってるだけじゃ物足りなくなって。 「ぁ、あぁっ」  後ろが、いい。 「はっ……ぁっ」  前じゃ、物足りない。  後ろの孔に。 「あ、はぁっ……あっ、ぁ」  実紘のが欲しい。  奥まで飲み込んで、ここ、いっぱいに広げられて、中を何度も擦られる。 「ん、ンっ」  下から突き上げられたい。抱きしめられながら、何度も腰を打ちつけられて。 「あっ、あっ」  脚をいっぱいに開いたことを褒めるように、太腿の柔肌に口付けられたい。キスマークをつけてもらって。  ――悠壱の中、とろっとろ。 「あぁっ」  そう囁かれて、奥までいっぱいに広げられたい。何度も何度も、突かれて。とろとろになった中をたくさん可愛がられながら、ツンと尖った乳首を噛まれたい。こんなふうに擦られて、敏感になった先を歯で齧られたい。 「あ、あ、あ」  ――悠壱。  低い声で名前を呼ばれたい。キスで溶かされて、中で脈打つ熱に奥まで注がれて。  ――気持ちい。悠壱ん中。 「あああっ」  ――ずっと、はめてたい。 「あ、あ、あっ、実紘っ」  そう囁かれて、めちゃくちゃにして欲しい。俺のこと。 「あ」  ――イッて。悠壱。 「あ、あああああっ」  早く、実紘が欲しい。

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