116 / 117

ハッピーバレンタイン編 8 ただいま

 育った環境が環境なんで、と話す実紘を抱き締めたいと思った。  明るい未来を望むのは、明るい未来というものがあるのを知ってるからで。  それが存在しない場所にずっと、生まれてからずっといたのなら、きっと明るい未来を想像することもしない。  実紘のいた場所は、きっとそれを想像することもない所だった。 「ね、悠壱、俺、シャワー浴びてないよ?」 「へ、き」  空港からここまで一人で帰ってきた。苦手なセリフをたくさん覚えて、たくさん頑張って、少しでも早く撮影が終わるようにって。マネージャーはすごく驚いただろう。ミツナがデビューした時から付いてる人だから。  ミツナの変化をきっと、追いかけ続けた俺以上に見守り続けていたはずだから、とても驚いたと思う。 「っ、悠っ、壱」  疲れてるだろう。  時差ボケもあると思う。 「っ、すげっ」  明日からしばらく休めるんだ。 「っ、そこ、もっと」 「ンン?」 「そこ、すげぇ、気持ちい」  何も今日、帰宅してすぐに、し始めなくても。 「ンっ……ん」  けれど、今すぐしたいと思った。  実紘のことを温めたいと、思ったんだ。 「悠壱っ」  寝室のベッドに腰を下ろした実紘が、その長い足の間に座り込んだ俺を眺めながら、きゅっと眉を寄せる。  しゃぶりつくはしたない音と、実紘の乱れた呼吸が久しぶりに寝室に響いてる。 「気持ちイイ?」 「っ、咥えながら喋んないでよ。ヤバい」 「ンっ……ん、ン」  ふやけた理性をどこかに放り投げて、頬の内側で実紘のそれを擦りながら、根本の裏側を舌先でチロチロとくすぐった。実紘の形に膨らんだ頬を興奮に濡れた何より綺麗な瞳が見つめてる。  この眼の虜になったんだ。  綺麗で、鋭くて、笑う時はとても幼く見える、不思議な眼。  その目に射抜かれるように見つめられながら、根元にキスしてをして、膨らんだ興奮が詰まったそこに手を添えながら、また、きつくしゃぶりつくと、口の中で実紘のが一回りまた大きくなって。 「っ、っ」  先端も、くびれたところも、太い幹も全部を唇で丁寧に扱きながら、涎まみれになるそれにしゃぶりつく。はしたない音はいっそう激しくなって。 「悠壱っ」 「ン、んんっ、ン、ン」  このまま、そう伝えるように深く、できるだけ喉奥まで実紘のを咥え込んだ瞬間、喉奥でビュクリと熱が爆ぜたのを感じた。 「ンっ……っん」  喉奥が熱い。 「……ン」  引き抜く時に絡みつく中を真似て、ねっとりと舌を絡ませつつも、口からそれを放した。 「やば……悠壱のフェラ、めっちゃ気持ちい」 「ン」 「たまんない」  喉奥が熱くてヒリヒリする。 「向こうで仕事必死に頑張りながら、ずっと悠壱を抱くことばっか考えてた」 「あっ」 「悠壱の敏感な乳首にキスをして」 「あぁっ」  抱き上げられて、服を捲り上げられ、乳首にキスをされただけで身体の芯がたまらなく熱くなる。もっと舐めて、指でいじめて欲しいと差し出すように、その唇に押し付けると、ニヤリと笑ってから、歯で齧ってくれた。  あの端正な唇に、キスしてもらえるところをじっと見つめて、ゾクゾクと興奮が駆け巡る背中を実紘の大きな手が撫でて。 「ンっ」  下着の中に手が侵入してくると、もう涎を垂らしてシミを作るほどに濡れた俺のを、長い指が扱いてくれる。 「悠壱の狭いここに」 「あっ」  そして、反対の手が後ろの孔を撫でた。 「俺のを」 「実紘」  自分から、服を手に持って、乳首をもっと舐めてもらいやすいようにしながら、実紘の手で孔を犯してもらえるように、尻を広げた。 「俺も……」  孔、一週間抱いてもらえてない、わりには、柔らかいよ。 「留守番しながら、ずっと実紘に抱いてもらいたいって考えてた」  実紘の指は俺より長いから、少し足りない。実紘のはもっと奥まで暴いてくれるから、すごくすごく物足りないけれど。  乳首にキスもして欲しかった。  全身にキスマークをつけられたかった。  下から、たくさん突き上げられて、実紘の硬さを感じたかった。  実紘の大きさに、圧迫されながら、その熱さに溶けそうなくらいに犯されたかった。 「だから、早く」  舌を絡め合う、卑猥なキスをしたくてたまらなかった。  だから自分からルームパンツと下着を下ろして、跨った。 「悠壱、俺のしゃぶりながら、こんなに濡らしたの?」 「ぁ、濡らし、た」 「美味かった?」 「おいし、かった」  嬉しそうに笑う実紘に、切羽詰まった顔でキスをして。 「実紘っ」  キスをしながら、しがみついた。  俺の中を実紘のがめちゃくちゃにされたくて。  俺の全部を実紘に捧げて、好きなだけ、俺で気持ち良くなって欲しくて。  両手で尻を広げながら、まだ服もちゃんと脱いでない実紘のそれが欲しいとせがんで、身体を重ねていく。さっきまでしゃぶって濡れているそれに、もう欲しくてたまらないって疼いてる孔で咥えて。 「あっ……ぁ」 「えっろ……」 「ああああああっ」  自分の重さを使って身体を沈めた瞬間。 「あっ……あ」  興奮の雫が腹にも胸にも飛び散って。 「悠壱の中、最高」 「あ、あ、あ、すご、っ激し、ぃっ」  そのまま熱が指じゃちっとも届いてくれない、最奥を犯してくれた。

ともだちにシェアしよう!