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ep.2

 鼓動が異常だ。余りの跳ね具合に口から出てしまいそうだと本気で心配になる程三住の心臓は常軌を逸していた。  全力疾走で校舎の裏側まで逃げ込んだ三住は息が上がり、火照った頰を滝の如く流れる汗に気を配る余裕も無い。  震える右手で心臓に近い場所のシャツを握り締めると、心音はジンジンと指先にまで伝わった。 「何だ…何なんだ、今の…」  覚えのあるその震え…  たった17年の浅い人生だけど、幼い昔に知ったこの苦しいのに高揚に似た感情─ ─初恋。 「嘘だあああーッ!!」  その奇声に電線で羽を休めていた雀も烏も慌てて空に逃げ散り、三住はその後職員室で懇々と説教を受けた。

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