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ep.5

「幸せ…」  三住は自室のベッドの上で一人ニヤけていた。 「バイバイしたくなかった…」 ─もっと、一緒にいたかった─。 『急に距離詰めんな! 家はまた今度!』  家を教えることをそう言って拒まれた。それでも三住は鼻の下を長くしていやらしく笑った。  つまり、その言葉には─があるからだ。    だが、ふと悪魔と名乗ったアイツの声を思い出す。 ─この恋が実らない限り、この呪いは解けない…。  そして、実ると… 「俺の恋は…終わり…」  急に寒さを感じて三住は静かに目を閉じた─。

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