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第2話

 猫だろうがなんだろうが、好きな相手が大事にしている物は俺にとっても大切なものだ。名前くらい覚える。  勿論俺が三浦を好きなのはシークレット中のシークレットだ。これからも友達関係を継続するためには、決してばれてはいけない感情だった。初めて好きになった人が男だなんて前途多難だが、仕方が無い。  見とれたことに気付かれないよう慌てて目を逸らしたが、そんな男心を知るよしもなく、三浦にぐいっと上を向かされた。  見つめる瞳は俺の中に猫を見出してる?  真剣な眼差しに、抗議するのも忘れて見入っていると顔が近付いてきて、……まあ、成り行き任せでそんなことに。  あ、でもキスだけだけど。当たり前だし。  って思い出して恥ずかしくなってきた。  いや、でさ、そのキスを無かったことにしたり、酔っ払っていて何も覚えていないと聞いて安堵したり、そうやってこれまで通りの関係を続けていくんだろうなと勝手に思っていたのに、今のこの「運命の相手」語りは何なのかってことだ。  三浦の話はまだまだ続いていて、大学の合格発表の後は入学式、そして初めて受けた授業の話になっていた。  まじで意味がわからない。二年前に遡ったところから現在に至るまでをまさかずっと話し続けるつもりなのか。なんでそれを俺に聞かせる? ただの恋バナ?  そんなわけないよな。

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