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第28話

「っ、ふぁ…」 大林の薄い腹を陣取るかのように乗せられたそれは、丁度へその真下あたりに先端が届く位置であった。 榊原は大林の素直な反応にくすりと笑うと、そのままばさりと豪快に来ていたシャツとインナーを脱ぎさった。 「体が熱いね、梓も脱いで。」 「んぶ、」 中途半端にまくられていたニットをすぽんと脱がされ、遂に生まれたままの姿になる。恥じらうようにそらされた顔から表情を読み取ることはできないが、暗がりでもわかるくらいに首筋から伝わる熱は明らかだった。 「男を抱くのは初めてだけど、優しくする。」 「ん、することあんま、かわんないから」 そろりと頬をなでた手に、そのまま擦りよる。榊原の言葉に少なからず兆した自身からは、ぽたりと先走りがこぼれた。 初めて抱く男の裸を見て、萎えるでもなくその存在を主張する榊原のソレがひどくいとおしくて、節の目立たないスラリとした指をそれに絡めた。 「は、っ…怖い?」 「は、はいるかな…って」 ゆるゆると太さを確かめるように指でなぞり、やがて手のひらでつつみこめば、指先が触れない程度の太さだった。 そのまま筒状にした手で強弱をつけるようににぎにぎと扱いつつ、確かめるように片手で自身の腹を無意識に撫でれば、ぐ、とまた一段と太さが増した気がした。 「っ、まだ…でかくすんの…」 「今のは、君が悪いだろ…」 榊原の下腹部に走るのしっかりとした血管は脈打ちながらぐるぐると興奮を高めていく。 そのまま大林の手に擦り付けるように2、3度腰を動かせば、にちゃりと粘着質な音を立てた。 「一回、だす?」 「ん、なら手伝ってもらおうかな。」 かきあげるかのように邪魔な髪を後ろに流せば、大林の足の隙間にに合わせるかのように挟む。そのまままとめて両足を抱きこめば、榊原のそれと大林の屹立が重なる形になった。 「や、なんかそれ…はずい…」 「すまない、少し付き合って。」 ぐ、と柔軟をするかのように体を折りたたまれれば、互いの先走りを利用するかのようにゆるゆると腰を揺らめかせた。最初は負担をかけないように、トン、トンと鼓動に合わせるかのような優しいピストンで。 「ぁ、あっや…それ、きもち…ふ、ぁっ」 「は、っ…んん、っ」 呼吸の合間に囁くような声が、互いの感度をじわじわと高めていく。大林もまるで鳥肌が立つかのような神経の泡立つような快感に敏感に体をはねさせた。 時折重なる袋もしとどに濡れ、メトロノームのようなピストンも、徐々に榊原が快感に追い詰められるごとに容赦のないものに変わる。 へそを犯すかのように、赤く腫れた先端の縁を引っ掛けるような容赦のないピストンに、大林は余裕を無くしたかのように激しく身悶えた。 「ひ、ひぅ…っ!ぁ、あぁっや!やぇ、て!も、ぃっ」 「ぅ、ぐっ…は、ぁあっ」 「いっ、いぐ!ぃぐがらぁ!!っぉ、ぁっ」 「い、っ…ぅ、っ」 「あ!あーっぁ、やっぁ」 がくがくと激しく揺さぶられ、目の前がチカチカと弾ける。なんど擦られ達したのかわからない位に腹をびしょびしょにしながら、それがさらに律動の助けになる。 榊原は獣のようにがぶがぶとやわい脹脛や手首の裏、はたまた白い首筋からつながる肩等に歯型を残していった。 その甘い痛みでさえ、大林の体は素直に喜びながらひくひくと後を切なくさせる。 お互いがまだ挿入していないというのに、完全に獣のように貪るように口付け、噛みつき、そして吐き出す。 大林のふわついた意識が徐々に戻る頃には、気づけば腰を高く持ち上げられ、割ひらいた尻のあわいに榊原が顔を埋めていた。 それも、あろうことか深く中に舌を侵入させた状態で。 「ひ!っ…な、なにしっ…」 「舐めて、開く」 「ぁっや、汚い…からっ、やぇ…っ」 「汚くない、興奮する…」 ぬるりと熱い舌で、縁を広げるようにぐにぐにと攻められながら、耳を疑うようなことを言う榊原に羞恥が募る。 この人、変態か!と心の中で叫ぶも、口から出るのは嬌声ばかりだ。 少なからずこの行為に興奮を示してしまう自分も大概だなと思いながら、榊原の舌が差し込まれるそこに指を這わした。 「あ、ずさ?」 「ひ、ぅっ…もっと、ぉく…」 「っ、」 「こぉ、し…てっ…こす、ってぇ…ぁンっ」 ぐちゅ、と自身の先走りと唾液を絡めた指を、榊原の目の前で教えるかのように内壁を擦りながら出し入れする。 ひんひんと喘ぎながらつぽつぽと動かすたびに、ごくりと生唾を飲み込むような音が大林の興奮を誘った。 ちらりとみやった榊原の性器はしっかりと頭をもたげて震えている。可愛いな、と思った瞬間、大林の指の隙間から熱い舌と共に、長くて太い指が巻き込むように差し入れられた。 「ひ、ぁうっ!あ、あっ!そ、こぉ…っ」 「ふ、っ…」 ぐちぐちと音を立てながら、的確に膨れ上がった前立腺を押し上げられた。荒く呼吸を繰り返しながら恥ずかしい音をたてて抜き差しされれれば、役目を果たしたとばかりに先導していた自身の指は穴から離れ、シーツを握るのみとなった。 熱い、唾液と舌でやわらかくなったそこに差し込まれた指は、気づけば一本から二本、三本と増やされていく。 腹の中側がじくじくと甘く痺れ、端なく自身に指を絡めると先を求めるようにゆるゆると擦り始める。 榊原は穴の縁に舌をひっかけながら口を離すと、唾液が玉のようになりながら唇とそこを糸のように繋いだ。 やっと外気に晒されると、ひくひくと内側の肉の色を見せつけ、本人は声も出せないままだらしなく足を開いて吐精していた。 ぐじゅり、と体液を吸ったシーツに手を着き後ろから覆いかぶさる。 柔い頬をあぐ、と甘く噛んで意識を戻らせれば、後ろをゆるゆると振り向いた大林がとろとろの顔で口付けをしてきた。 「梓、あずさ…」 「うん、っ…りょうさん、きて…」 するりと震える手ではちきれんばかりのそこを握れば、誘導するかのようにあてがった。 榊原は何度か縁に擦り付けたあと、そのまま割開くかのようにゆっくりと腰を勧めていく。 胎内は酷く熱く、じくじくと鼓動に合わせて痙攣を繰り返していた。

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