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第4話この体調の悪さの原因は

「なんだったんだろう?もしかして部屋が臭かったのかな」 ベッドから立ち上がりハンガーラックに掛けてあった消臭スプレーを部屋に振りかけたところで、また下腹部がチクチクと痛み出した。 「はぁ……今日はもう寝よう。明日早起きして課題をしたらいっか」 ベッドに腰掛け桔梗が入れてくれたホットミルクをぐっと飲み干す。 ーーいつまでも甘えてちゃいけないのはわかってるけど……今だけは許してください…… そう心の中で願いながらベッドの中に潜り込んだ。 翌朝。いつもよりたくさん寝たおかげで早朝から課題も出来たし、体の怠さも心なしか楽になった気がする。 そのままいつも通り学校へ向かい授業に出た後、帰りに念のために病院に向かった。 「疲れてなんかないのになぁ……」 医者に診てもらったものの、結果は「ストレスや疲れからの体調不良でしょう」と言われ整腸剤とビタミン剤を出してもらっただけで何の病気でもなかった。 「でも別に働く分には問題ないし、いつもより早く寝れば問題なし!」 そう自分に言い聞かせると急いで家路についた。 帰宅すると裏門から急いで自分の部屋に戻った。裏門を使う理由は使用人の僕は正門を使うことが許されていないからだ。 自室に戻るとすぐさま学校の制服を脱ぎ使用人の制服に着替えた。 「遅れてすいません、ただいま戻りました」 「お帰り、楓。それより体調大丈夫だったの?」 一階の使用人の控室にいくと、同じ使用人の美知子がいた。美知子は僕より五歳年上の先輩で家族のいない僕をいつも気にしてくれる頼りになる人だ。 「はい、特には……ただ疲労とストレスが原因かもって。」 「えっそれ大丈夫じゃないでしょう!ねえ……原因ってもしかして……」 とその時、控室の扉が開いた。扉を開けたのはこの屋敷の執事・田中だった。 「古森くん、帰っていましたか。早速ですが、桜子様がお呼びです。今すぐ桜子様のお部屋に行ってください」 「は、はい!わかりました」 座っていた椅子から立とうとしたとき、美知子が楓の腕を掴んだ。 「田中さん、楓は今日体調が良くないんです。代わりに私が行きます」 「古森君、それは本当ですか」 「美知子さん!……あのっ、確かに少し疲れているかもしれませんが大丈夫です!働けます!」 楓は美知子ににっこり微笑むと優しく腕を振りほどいた。 美知子は心配するような目つきで楓をみていたが、あえて気づかいないふりをして控室を出た。 ーー美知子さんに心配させちゃったなあ。確かに桜子様の所に一人で行くのは少し気が重いけれど、これも僕の仕事だから。 足早に廊下を歩くと桜子様の部屋の前に着いた。 ネクタイをぐっと締め直し、ふぅ……と一つ息を吐いた。 決心してドアをノックした。 「桜子様。楓です。遅くなってしまい申し訳ありません。」

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