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「はぁはぁ錦君のパンツ何色?」「殺すぞ貴様」

二十一時きっかり、ついにこの時が来たとばかりに受話器に手を伸ばしたら呼び出し音が鳴った。 ――錦からだった。 その時点で、海輝のテンションはさらにあがる。 愛しの錦に電話しようと思ったタイミングで、何とその錦から電話が来た。 テンション爆上がりしなければ、男ではない。 受け身で堅物で恥ずかしがりやな錦が、能動的に電話をかけて来たのだ。 これを喜ばずしてどうする。 盛大に花火を打ち上げたい位だ。 「錦君!」 『こんばんわ。久しぶりだな』 「こんばんわぁああ! あぁん、可愛い大好き」 『……疲れている所すまない。今時間大丈夫だろうか』 「はぁはぁ、錦君の生ボイス」 『問題なさそうだな。話を続けようか』 「久しぶりだね! 今すぐテレホンセックスしよう!」 『相変わらず変態だな』 「はぁはぁ錦君のパンツ何色?」 『殺すぞ貴様』

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