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海輝の海輝君がお早うと頭をもたげている

「――……錦君、今なんて?」 『何時も俺はお前に与えられるのを待ってばかりだが、今回は違う。お互いに会いたいと思うなら問題は無い。お前に会い行く。喜べ海輝』 「ファっ!?」 か、神よ……。 「ファアアアアア!! 神よおおおおおおお!」 何と雄雄しく凛々しいのだろうかと、海輝の涙腺が緩む。 錦のお股がつるつるの頃からの付き合いだが、今までこんな事を言われた事はあっただろうか。無い! あの、錦が自分から「会いに行く」なんて言い出した。 互いに会いたいと理解してる上で、会いに行く宣言をする錦が尊い。 何時もは海輝が一方的に追いかけ追い詰めてとっ捕まえる。捕まって、始めて意地っ張りで遠慮ばかりする錦は、少しだけ素直になる。こういう所も海輝としてはたまらないのだが、懐かない猫を強引に抱き上げて、引っ掻かれながらも頬擦りする様な関係だった。 錦君、僕嬉しい。 『……喜ばないのか』 「そんな訳ないそんな訳ないじゃないか! 休火山から活火山並みに大興奮しているとも」 昇天しそうになる。 疲れ何たらと言う奴か、スラックスの中が少しきつい。 海輝の海輝君がお早うと頭をもたげている。 お早う。そして、お休み。 起きて早々済まないけど、頼むから今すぐ寝てくれ。 お前を包み込み添い寝してくれるメイドイン錦の寝袋は此処に居ないのだ。

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