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錦君の体は僕以外進入禁止のはずだ
「錦君の体は僕以外進入禁止のはずだ」
『何を言ってるのか分からないが……迷惑か? 確かに、忙しいのに押しかけるのは迷惑だな』
押しても駄目なら引いてみろだと!?
何時の間にそんな駆け引きを覚えたんだ。
「迷惑? 迷惑の意味を言ってみなさい」
『行動により不快、困惑、不利益を与えたり感じる事』
「その通りだ錦君。君に関する事で迷惑と言う人間がこの世にいるだろうか? いや居ない」
『その根拠のない自信はどこから来るんだ』
「根拠ならある。仮にそんな奴が居たら僕が一人残らず消し去り、親族も含め全員根絶やしにするからだ」
『……小学生の頃にお前と出席した創立記念パーティーで俺に絡んできた二人の少年が池に転落した事を覚えているか』
「懐かしいねぇ! 小学生の頃の錦君かぁ懐かしいなぁ。確か、君と似たような年の子がはしゃいで池に落ちて怪我したんだっけ? 可哀想だねぇ。で、それが何」
錦に陰湿な嫌がらせをしようと目論んだクソガキ共の事だ。
一人は錦と出会う前にボコっておいた崇嗣君。
三人纏めてボコるとバレてしまうから、パーティー会場になった邸宅の裏庭で半殺しにして池に沈めたのが豊君と、康平君。
大地君は――時々だけど――錦の荷物持ちみたいな物だったから、見逃してあげた。
あはっ。
豊君達は今も意識不明何だって。
身から出た錆とは言え、怖いね!
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