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錦君の敵は僕の敵
『あれ以降、彼らの両親は俺を見ると逃げていく。先月血液検査の結果を聞きに病院に行ったら、偶然彼等の両親と会ったが、悲鳴を上げて逃げていったんだ。まさかお前関係していないだろうな』
海輝は清々しい気持ちで笑う。害虫駆除は良い事なのだ。
良い事をすると爽やかな気持ちになる。
と言うか、錦に不信感を抱かせた彼らの両親も目障りだから処理せねば。
「僕は無関係だよ失礼だなぁ。あれは、悪ふざけが過ぎた彼らが池に落ちて怪我したんでしょ。彼らの両親が君を見て逃げるのは、若狭さんの不興を買いたくないからだよ。若狭さんは自称君の親友だからね。それよりヘリを用意しよう。そうだ、そうしよう。ウィルスに細菌は錦君の敵だ。錦君の敵は僕の敵、いや、人類の敵だ」
この時期交通機関も混み合うし、なにより人込みで風邪を筆頭にウイルス感染が怖い。錦の場合、風邪をひいて肺炎を発症し死にかけたこともある。
錦の身に何かが有ったなら感染経路をまず調べあげ発症日時からウィルス潜伏期間を計算し彼の行動範囲、人間関係を調べなくてはならない。
彼に関わった人間を身内すら含め、全員血祭りだ。
国内ならまだ良いが出国した人間を追うのは多少骨が折れる。
錦自身には知られず一人残らず潰さなくてはならない。
止める人間はいない。
いるなら、錦自身だけだ。
海輝を筆頭に、錦の身内は錦過激派しかいない。
錦の弟更紗も、現在共に生活をしている保護者の若狭もクレイジーだからだ。
国内の人口が大幅に減少しようとも、誰も気にしないだろう。
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