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異常なのか平常なのか今でも分からない

「美味しい! 高野豆腐美味しい!! 最後の一つが一番美味しい! 別れが辛いぃい」 「永遠の別れにはならない。そんなに美味しかったならまた作る」 「本当!? また会えるの!?」 「変な所でスイッチが入るなお前。異常なのか平常なのか今でも分からない」 「牛蒡も良いけど僕は蓮根の金平が好きだ!」 蓮根の歯ごたえと甘辛い味付けも海輝好みだ。 「うまっ! うまああああ」 「叫ぶのはいけない」 デリシャスデリシャスと久々に朝から飯椀山盛りの白米を二杯食べた。 「金平美味しいお味噌汁美味しい」 「何だ、ぼーっとしたり叫んだり。元気じゃないか」 「海輝の海輝君も元気だぞ」 「? 海輝は一人しかいないぞ。寝ぼけてるのか」 腹も膨れ茶を飲みながら、空の皿を見下ろす。 少量ずつだが、それなりの数がある。 昨日と言い今日と言い早朝から作ってくれてるのだ。 やはり頼りっぱなしも気が引けるので炊事は交互にしたいと申し出た。 家事は分担したい。 「断る」 偶には錦にもゆっくりとしてほしいのだが、鰾膠も無く断られた。

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