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キスしながら *性描写あり
とろりとした感触だった。
ぬるついていて、指先に纏わり付く。表面とは違う内部はまさに別の生き物のようだった。
「んっうぅ――……っ」
腹を見下ろせば堅く瞳を閉じた錦が見えた。
何時もとは違う角度と状況で見るが、こんな時でも可愛いとときめく。
「痛くない?」
粘膜は柔らかく皮膚に吸い付く。錦に触れるため海輝は常にハンドケアは欠かさない。それでも、傷つけないか心配になる繊細さだ。
「……っ、たく、な」
錦は強い刺激よりは、柔らかな物を好む。
先ほどまで触れていた舌よりも指は硬い。
痛くはないが、良くも無いと言ったところか。
ここを弄るのは初めてでは無いし達した事もあるが、まだ体がそこまで馴染んでいない。違和感の方が大きいようだ。ローションのお陰でスムーズに指が進む。引っかかりも無く関節を通り過ぎ根元まで行き着く。
掠れた呻きが聞こえる。
脚の指先が丸まり膝が頼りなく揺れる。
錦の舌も手も完全に海輝の性器から離れた。
海輝の脚の付け根に頭を擦り付けて、衝撃に耐えている。
中指を含ませたまま起き上がり、悶える錦の傍らに座り直した。
親指や掌で会陰から性器を撫で残り火に息を吹き付ける。
横抱きするようにして、頬や瞼、額に唇を押しつけた。
指を含む粘膜が少しだけ緩む。脚の付け根に海輝の手を挟み込んだまま左右の膝は完全に閉ざされてしまった。
抵抗どころか、海輝の手を離さないようにするために見えて少しだけおかしかった。
「キスしながらイッちゃおうか」
「ん……する」
薄く瞳を開き、それでも「キス」という単語は理解できたようで小さく頷く。
唇を合わせれば、頬を撫でられた。
後孔から性器まで掌全体を使い擦りあげる。
濡れて生暖かい陰嚢が手首の内側で擦れて気持ち良い。
閉ざされていた膝が崩れ、つま先がシーツを掻く。
緩やかに粘膜を往復するだけだった指の動きを少しずつ大胆な物へ変えていく。
錦を横抱きにするようにして上半身を抱き起こし、胸に寄りかからせてから唇を上から覆う。舌を絡ませながら、ゆっくりと指を動かした。ちゅぷちゅぷとローションが泡立ち指の付け根を濡らす。
「むっんんっふぅ」
拡張する動きに変えて、円を描く。小刻みに錦の反応を見ながら、徐々に大きく早く激しく指先を踊らせる。
「んっんっぁっぷはっ」
呼吸が追いつかなくなり、互いに唇を話した。剥がれる舌先が未練がましく舌先を追う。指先を折り曲げて責め立てれば途切れること無く口から喘ぎがこぼれた。解け始めた所を見計らい、薬指を増やしていく。
触れる二本の指先に、錦の反応が大きく変わる。
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