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つい意地悪をしてしまう *性描写あり

「上手にいけたね」 返事は無い。 瞳を閉じてくたりと弛緩した体の中、胸だけが忙しなく上下する。 「あっれぇ射精してないのにパンツぐしょぐしょのままじゃないか」 「……っ」 「君濡れやすいから、お股がなかなか乾かないね」 指を引き抜くと、固く閉ざされていた筈のそこはヒクつき薄く開いたり閉じたりを繰り返す。中指の腹で、先ほどまで開いていた後孔の周囲を撫でると体を小さく跳ねさせながら、喘ぎ混じりに必死に息を吐く。 抱き起こした錦の体をそっとシーツの上に下ろして、覆い被さった。半端に前を隠す下着を取り払いたい誘惑に駆られるが、見えそうで見えないプライベートゾーンというのはかなり色っぽい。 汗を湿度でくしゃくしゃになり乱れたオーバーサイズのスエットから見える、胸から腰の線がそそる。 「もう少し解した方が良いかな」 腰を撫でてそのまま尻の丸みを掌で掴むと、指先に潤いが触れた。 ローションで後孔だけでは無いその周囲まで濡れている。 「あと何回イケると思う?」 ヒクつく度、柔らかく盛り上がる後孔を指で擦る。ドロドロと濡れて滑りが良い。放射状の皺の中心部に息づく蕾を指先で押す。抵抗はあるのに指が沈みそうな程に柔らかい。 「錦君、もっとここを虐めてあげる。沢山イッたそのあとで、僕のを奥でのんでくれる?」 耳朶に吹き込むと、小さく名前を呼ばれる。 限界が近くすすり泣きに近い声で、先を強請り始めた。 「指は……嫌だ」 「指は? 口でして欲しいのかい? 良いよ。たっぷり唾液で濡らした舌で襞を舐めてあげる。ゆっくり楽しもうか」 「口も嫌だ」 お強請りをもっと聞くたくて、つい意地悪をしてしまう。 「指も口も嫌。じゃぁ、残るのは一つだ。錦君、アナルにおチンチン入れて欲しいの? だったらそう言えば良いのに。このドスケベ」 「……だって、もう、これやだ」 「イヤイヤばかりだなんて。僕の事嫌なの? 酷い錦君」 「海輝こそ俺のこと嫌いなんだろ」 「……は? 何それ。錦君、これはお仕置きコースだな。陰嚢から虐めよう。次はペニス、最後にアナルだ」 殆ど脱げている下着の中に性器を潜り込ませて、錦の後孔から性器に向かい張り出された先端を滑らせる。往復する度後孔がひくつく。 「んっ」 錦の腰が浮く。 体とは不思議な物で幾度か吐き出し殆ど熱量を放出できない状態にまで追い込まれているのに、萎れる事は無い。若い体は血液が巡れば性器は漲る。 性器への刺激が辛いのか、ぐっしょりと濡れた下着が不快なのか、二人分の性を納めた場所が窮屈で苦しいのかもそもそと尻を動かす。 恥ずかしいが、下着を脱ぎたいのだろう。

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