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誓い

「ふふっ......丁度、白のワンピースに黒装束の正装」 「環......」 腰に手を当てて支えるようにして向かい合って立つ 「嬉しかったんだ......」 「えっ?」 ポツリと環が呟いた 「馨が大学に行って、ひとりぼっちだって思ってた......あぁ、またひとりなんだって」 「ごめん......」 「ん~ん。この子を宿してくれた。ひとりじゃなかったって気づいた。ずっと、居てくれた」 手を重て小さな膨らみを撫でる 「馨に撫でて貰うと、楽になる......パパだって判ってるのかな?」 「環......」 軽く引き寄せて抱き締める 間近で顔を見合わせると花が咲くように君が笑う 「馨......良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず、死が2人を分かつまで、愛を誓い、貴方を想い、貴方のみに添うことを、神聖な桜木の契約のもとに、誓います」 「――っ!環......愛して、る」 「キスして」 唇に落とす 何度も何度も角度を変えて 深く深く んっ、ふんんぁ......んっくっあっ......はぁっ! 熱く蕩けた眼と眼が合った 4年分を埋めるように口づけた んっ......んぁっ!んっくっいっ!あぁぁぁっ! 「環?どうした?」 「あ......つ、い。お腹......あっ!いぃぃぃっ!」 膝から崩れ落ちて意識を失う 下腹部を触ると火傷しそうな程に熱かった 「環!」 【あっはははっ!もう、間もなく完成する......八雲のところのコゾウか。お前にも感謝するよっ】 小さな身体を抱き締める 「環は......渡さない!この子もだ!」 【そ~れは、無理だね。できない相談だ】 「か、お......る。心臓」 【まだ、意識があるのかい大したもんだ】

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