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花びら

「馨どうしたの?」 仰向けに寝転がったブレザー姿の馨 「ここ、横になって」 「ここ?」 懐かしい......コウコウセイの馨だ 一緒に横になると景色が替わる 「うわっ......凄い」 「圧巻って言葉しか浮かばない」 「そうだね......満開」 満開の桜の下だ 「散るところ見たことある?」 「そう言えば、花びらが何枚か散ってるのは見たことあるけど......気づいたらいつも葉っぱ付けてる」 「だよね......なんでだろう。調べてみるかな」 花祭りが終わって馨のシンガッキが始まってから、集まってお花見がいつもの定番 その頃まで綺麗に咲いている 満開の状態で 「毎年、この桜を観るのが楽しみだったんだ。馨と2人で綺麗だねって」 「そうなの?『環も綺麗だよ』ね」 ――環、綺麗だよ 「えっ?突然、どうしたの?」 「笑うと、花が咲くみたいなんだ。俺、好きなの。環の笑顔」 「あ、ありがと......う」 「照れてるの?『可愛いよね、環』」 ――可愛いよ、環。君にそっくりな...... 「えっ――」 起き上がるとまた、辺り一面暗闇 「馨?」

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