見回すと桜が散って所々に葉が付いていた 「初めて見たかも」 「ん？」 「見て？花が散って、葉っぱが付いてる」 「妖器に戻ったんだよ」 「えっ？どこ？」 ヨウキ？ 「ココ」 右胸の所をつぅ――っとなぞられた 「んっ......んぅ。わかった、からっ」 「そう？帰ろうか......もう、夜明け近い。はい、乗って？」 背中を向けられる 「えっ？」 「歩けないでしょう？出産して体力も残ってないし、妖力が一気に流れ込んできたから」 恥ずかしい......なんとか、自力で 「歩けるよ......うわっ」 「危ないっ」 ポフッ そのまま馨の背中にダイブしようとして後ろを振り向いた彼に抱き留められてそのまま倒れる 下敷きにしちゃった 「あり、がとう......」 「どういたしまして」 今度こそ、大人しく背負われる くっ！カッコ悪い............ん？ 「帰るって何処に？」 「八雲の家だよ？」 当然だと言うように答えが返ってくる 「なっ、んで......」 「ん？もう、環は貰ってしまったからね。娘もいるし」 「なっ！」 「お嫁にだよ」 何を想像したの？と笑う彼 少し遅れて騙されたことに気づいた キラキラしてる...... 馨って、こんなだったっけ？ 「お～い！誰かそこに居るのか？」 周囲が少しざわつき始める 「行こうか......」 「うん」 彼の実家へ！いざ、出陣！