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お布団
「............」
僕は今、目の前の光景に混乱して障子に背を張り付けています
「環、どうしたの?」
にっこり笑う馨が怖いです......
挨拶は、明日......いや、今日のお昼頃
きっちり休んでから、と
いやいやいや!休めないからっ!
馨の近くにある1組のお布団
ちなみに、ここの部屋にはお布団は他にない
つまり、アレに一緒に入るってわけで......同衾しちゃうってわけで......
ボッと顔が熱くなった
固まって動かない僕に馨は、納得したように言う
「あぁ、御前のことなら心配ないよ。結界張ってて見えてないから」
「そういうこと、心配してるんじゃ、なっ!」
「じゃあ、なに?」
距離を一気に縮められて障子と馨の間に閉じ込められて、首筋をきつく吸われる
「――っ!いっやっあぁっ!」
逃げようにも頭と腰の所に彼の手があって逃げられない
あ......んふぅ~んっ
後ろに手を回されてワンピースのファスナーがジジジッと音をたてて、ファサッと足元に落ちる
「ねぇ、環。何がそんなに心配なの?言ってみて?」
......あ、んんっ......あっんんっ
ズルい
質問しておいて、口を塞ぐなんてっ!
頭がボーッとしてきて身体の力が抜ける
ガクッと身体が膝から落ちる
「――っ!あっ!やっやらっ!あぁっ!」
落ちた先には、馨の膝の部分
僕の両脚が馨の障子に突いていた膝を挟むようになっていたのだ
いつの間にか、僕を阻んでいた両手は次の行動に出ようとしていた
「お、ふとっひとつなろぉ?」
「問題ある?」
「らっれ、寝むれらいっ!」
「どうして?」
――どうして?
どうしてだっけ?
「わっかんらいっ!」
「――っ!」
考えるのが億劫になって全身の力を抜いた
「あっ!やっ、そんらっつもりっなっ!あぁぁぁっ!」
意図せずして馨の膝に潤い熱をもつヵ所を押し付けた
「すごいね、環。これじゃあ、寝かせてあげられないね」
遠くでそんな声が聞こえた
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