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降ってきた言葉
ドドンッ!
場面変わって......御前、馨のお父上の前です
あの後、何時からそこに控えていたのか分からない奉公人の方々に湯浴みを手伝ってもらい、着物を着せて頂きました
「お初にお目にかかります。環と申します」
教えてもらったように礼を取る
「......不遇な扱いを受けておった落とし子とは、お主のことか?」
「!」
「御前!」
馨が鋭い声で制したものの、御前はケロッとしていて寧ろ驚いている
視線の先は、僕ではなく厳しい顔をしている馨だ
「あの......はい」
「十分な教育は、受けておらぬと?」
「......はぃ」
返事をする声が尻すぼみになっていく
次期当主の正妻であれば、異母姉 のように手厚く育てられた教養のある女 が適任と暗に言われているようだ
「御前には、挨拶に参ったまで。許可を得ようと参った算段では、ございません」
「変わったな......馨よ」
「は?」
握りしめていた両掌に爪が食い込む
泣いちゃだめだ
気丈にしていないと、僕には桜がいる
下を向いて必死に心の中で繰り返していたので、次に頭の上から降ってきた言葉には驚いた
「倅を宜しく頼む。誰か、嫁に付けてやれ。学ぶのには、遅くない」
「「御意」」
「!......あ、りがとうございます」
「礼を申すのは、こちらの方。末永く......飽きんでやってくれ」
クシャッと笑った顔は、少し親近感がわいた
「環!よかった......」
「ん、素敵なお義父さんだね」
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