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女子生徒が席に座ったのを確認してから 先生は ガラッと雰囲気を変え 俺を見て、にっこり笑った。 『あはは。ああ、焦った~!』 『・・・・えー?ホントですか?  そんな風には見えませんでしたけど。』 『そう?でも、隙 見せたらヤバイなって  平静を装わなきゃって思って・・・・・・  実は 焦ってたんだよねー。』 『・・・ならファミレスなんか来なきゃいいでしょうに。  誰かに見られる可能性ありありですよ?』 『あー、そうだね。お腹空いてて  そこまで気が回らなかったなぁ。』 『・・・・・・・。』 変なの。 なんか・・・・ 先生に抱いてたイメージが どんどん変わっていく。 先生も 普通の人間・・・・って いやまぁ、普通の人だけど 学校では見せないような仕草や 表情を目の当たりにすると ・・・・何だか こそばゆい というか どういう反応をしたらいいのか 分からなくなってくる。 それぞれ好みのものを注文して、 ドリンクバーへ行こうと席を立ったら スマホを見ている先生に 「俺、コーラね」と 当然のように言われた。 『はい・・・・・?』 『・・・・・・・・・・・・』 スマホに夢中で返事はない。 ・・・・・いや 別にいいけどさ。 なんか慣れた感じで頼まれたんだけど いつも こんななのか~? (またイメージ変わるなぁ・・・・) 先生のコーラと自分のアイスコーヒーを注いで 戻ってくると・・先生はテーブルに顔を伏せて 両手を合わせて「ごめん」のポーズで 目に見えて分かるほど撃沈していた。 『ごめん・・・。  急ぎの返信してて、つい いつもの癖で・・・』 『いーえ。別にいいですよ。』 ふーん。 いつもの・・・癖、ねぇ。 合わせた先生の手、左の薬指を ちらりと見る。 そこには、シンプルな指輪がはめてある。 先生は・・・結婚してる。 いつもは 奥さんが 注いできてくれるんだろうな・・・・ そんなことを考えていたら 何故か チクリ・・・と胸が痛んだ。

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