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☆13
────翌朝
ほとんど眠れず 先生に起こされるまで
ベッドで じっとしていた俺は
まるで 何事もなかったように
いつもどおりに接する先生の・・・・
作ってくれた朝食を食べた。
ほとんど会話はなく
昨夜の事にはどちらも触れなかった。
気まずくて、気まずくて
それ以上、同じ空間に居るのがツラくて
食べ終わったら 挨拶も そこそこに
すぐに家に帰った。
先生も・・・もう 引き留める事はなかった。
あまりの気まずさに
1度きりかと思っていたのに
週末になると呼び出され・・・
体を重ねる日が続いた。
会うたびに、
先生の気持ちを確かめよう
先生の気持ちを聞いてみよう
そう思って いるのに
どうしても聞けなくて・・・
聞いたら 終わりになりそうで
怖くて
結局、聞けずにいた。
『ああ・・・・どうしよう・・・』
ハッキリ 聞けないのは・・・
先生には奥さんがいるからだ。
先生は・・・俺の事が多分、好きなんだと思う。
思い上がりや自惚れではなく。
でも、先生は・・・・
思わせ振りな事は言うくせに
肝心な事を 俺に言わない
それは・・・
奥さんと別れる気はないからだ、
と思う。
遊びなら遊びでもいい。
割りきった関係を望むなら
それでもいい。
イヤなら行かなきゃいいのに
会えばツラくなるのに
それでも会いに行くのは・・・・
先生が好きだからだ。
先生に会いたいからだ。
それだけ、なんだ。
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