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☆16
もがいてた先生が急に、
ピタリと動かなくなった。
俺の涙に気づいたらしい。
『なんで・・・・・』
先生の手が、俺の頬に触れる。
優しく触れられて、
情けないけど・・・ 涙がポロポロと
零れて止まらなくなる。
『なんで・・・・・・泣くの?』
『・・・・・・っ・・・・』
カッコ悪い、俺。
先生が別れたいって言うなら
それを望むなら・・・
受け入れなくちゃ。
受け入れなきゃ・・・
ダメなんだ。
・・・でも。
『・・・・好き・・です・・・先生。』
でも。
最後に・・・これだけは言わせて。
俺の気持ちを。
ずっと言えなかった
俺の気持ちを。
もう1度、先生を抱きしめる。
ありったけの想いを込めて。
愛しい人の温もりを
忘れないように。
今度は、先生もおとなしく
俺に されるがままで いてくれた。
先生の優しさが
嬉しくて
ツラかった。
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