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とりあえず。 玄関で話す内容ではない、 と、へたり込む先生を支えて リビングに戻った。 先生とソファーに座って 俺は、混乱した頭を 必死で整理していた。 えーと。 なんだっけ。 まず、 先生に奥さんは・・・・いない。 先生は・・・ 結婚してなかった。 結婚して・・・・なかった・・・・・ 確かに。 週末になれば必ずと言っていいほど 来ていたのに・・・ 1度も奥さんと出会った事はなかった。 おかしいな、と思わなかった訳ではない。 でも・・・ 洗面所にストックしてあるピンクの歯ブラシ 使いかけの女性用の化粧品 女の人の影が まったくない、 って感じでもなくて。 週末に仕事のある人なのかと 思っていた。 でも、1番の思い込みの理由は 先生の左の薬指の・・・指輪だ。 なんで結婚してないのに 指輪なんかしてるんだよ。 なんで、肝心な事を 俺に言わないんだよ。 大体、最初に ちゃんと好きって 言ってくれてたら 俺だって 言えたんだ。 あんなに悩まなくて済んだんだ。 思い出すと また、怒りが沸々と沸き上がってくる。 いや でも・・ そもそも俺が先生に聞いてれば・・・・ 悩む事もなかった・・・のか・・・・? くぅーっと天井を睨み付けていると 先生が ちょいちょいと俺の肩を つついてきた。 『なに・・・・。』 不機嫌に、先生を見ると 先生は 何故だか ちょっとだけ 頬を染めて 微笑んでいて・・・。 ・・・なんだ、それ すげー ムカつく。 『なに。』 もう1度 問うと、今度は真っ赤になって 下を向く先生。 だから、なんだよ、それ ・・・・・やっぱ ムカつく。 『あ、あの・・・さ。さっき、俺の事・・・  好きって・・・言った・・・?よ・・・ね////?』 は? 今・・・それ聞く? あー、イライラする・・・・ マジで・・・ムカつく !! 可愛すぎんだよ!!

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