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第7話

「な、どこが?アキラは頼ってなんかいない…」 「ううん、依存してしまってる、前は…いつも独りで生きていくことを考えていたけど、今は少し薄れてた…」 みずきがいることが当たり前になってきていて… 「それでいいよ、頼ってくれたら、俺は嬉しい…」 頷きながら伝えるみずき。 「その言葉に甘えてたから…オレ、お前に心配されないよう頑張るから…」 最近の自分じゃみずきに心配かけてばかりで、みずきを不安にさせてたから… 「……アキラ、」 「最近さ、BOUSのこととか色々あって、精神的にも落ちてたなって自覚あるんだ…」 タツたちの強姦… みずきの怪我… 自分の病気の発作… フミヒコのこと… 一度に起こりすぎて…余裕がなかったから… 「だから、気持ちで負けないように、頑張る…」 「アキラ、あぁ、無理だけはしないようにな、俺もついているから…」 「ん…判ってる」 犬たちを見ながら軽く頷くアキラ。 「…アキラはすごいな…色々と気付いて、自分で考えて…俺にはとても出来ない、やはり尊敬するよ…」 そんなアキラをみて、感心したように言うみずき。 「…そんなことないって、今のうちだよ…もっと悪くなったらそんな余裕なくなると思うし、オレには真似できないみずきの良さだって沢山あるから…オレだけ凄い訳じゃないって…」 柔らかく微笑みながら伝える。 「…アキラ、」 アキラの言葉を嬉しく思いながら… 改めてアキラは自分の病気のことを先まで見通しているんだな…と、少し切なくなるみずき。 付け足して伝えたい気持ちがうまく言葉に出来ない… 「あ、公園、もう着いたな…結構早い…」 不意に視線を遠くに向けてアキラが言う。 「そうだな、休憩しようか…」 休憩場所にと決めていた公園なので、いったんベンチで休むことにする。

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