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第48話

みずきに… 暗示をかけて… 自分から遠ざける。 そうすれば…確実にみずきは自分から離れていく… そして…違う人を好きになる。 解り切った事実なのに… それを拒む心があるのも事実… それは自分が弱いから… 「みずき…」 今はまだ、優しく触れてくれる… その名を呼んでみる… 「どうした?アキラ…」 瞳を重ね軽く首を傾げ、すぐ答えるみずき… 「ううん…早く抱いて…」 その真っすぐな瞳を見つめ、ぽつりと囁く… 「アキラ?」 思わぬ言葉にどきっとするみずき… 「みずきと繋がりたい…早く、」 さらに誘う言葉を紡ぐアキラ… 余計なことばかり考えてしまうこの心を…思考を停止したい… だから熱く抱いて欲しい…考える暇がないくらいに… 「…アキラ、」 そんな自分を求めるアキラの甘い囁きを聞くと…心臓が勝手にドキドキして、頬がかっと熱くなり、身体の芯が高ぶる感覚を味わうみずき… アキラのその、か細い綺麗な身体を…ぎゅっと抱きしめて…素肌と素肌を密着させる。 不安な気持ちを拭い去るように… みずきも、愛しいその人を腕に抱いて…その熱を感じて…何度も口付けしていく… そして…アキラの敏感な部分を緩急をつけ刺激し…快感を煽っていく… アキラが喜ぶ姿がなにより嬉しい… 「ァ…ハァ、んっ」 アキラの唇から洩れる色っぽい声…息遣い… みずきをさらに興奮させる。 「アキラ…綺麗だ、すごく…」 優しく囁く… 綺麗な髪をすくい…ドキッとするような深い緑の瞳を見つめる。 「ァ…はぁ…っみずき…、」 いつまで…みずきとこうしていられるか分からないから… みずきとの残り少ない時を大切にしたい… 裏切るばかりだった自分が…唯一みずきを満足させてやれることだから… みずきの熱い想いを…この瞬間は受け止めて… みずきを喜ばせたいから…

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