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22 side.s

ベッドへ向かう間も惜しく、俺たちは互いの衣服に手をかける。 テレビの向こうでは相変わらず楽しそうに騒ぐお笑い芸人が相方に頭を叩かれているし、天井の電気はこうこうと部屋を照らしたままだ。 全く恥ずかしくないとはまだ言えない。 俺たちは出会って半年も経っていないのだ。 出会いから今日まで、何もかもが偶然だった。 それでもこの関係が運命をも超える強い繋がりであるのだと、どうしようもなく求め合う心が、そう叫んでいる。 年季の入った座布団一枚を敷いて始まる行為にはムードも何もあったものでは無くて、今からでも場所を変えようと視線をベッドへと移すが──。 「綾木…さん?」 頬を火照らす来碧さんに呼ばれてしまうとやはり他のことを考える余裕など無くなった。 脱ぎ捨てた自身の服は来碧さんを囲むように置き、多少のクッションがわりにでもなればと思う。 綺麗に浮き出た鎖骨にキスを落とすと、頭上から聞こえるのは息を詰めるような熱っぽい呼吸。 登ろうか、降ろうか…考えた末、あえて下に唇をずらした。 薄い胸板から直に心臓の響きを感じ、俺よりも忙しなく動くそれに言葉にならない満足感が押し寄せる。 左胸の中心に位置する小さな突起へ、唾液を絡めた舌を這わせた。 「ちょ…そんな、とこやめ……っ。擽ったいだろ…」 「あんまり気持ちよくない…?」 「い、いや…そんな風にされた事、無いし…っ」 降り注ぐ吐息の間に挟まれたその発言に驚き、つい頭をあげる。 来碧さんは発情と種類こそ異なるものの、それはもう火でも噴き出しそうなほど顔を真っ赤に染め上げていた。 「触られた事…無いの?」 しまった。これは地雷だっただろうか。 俺自身もこれまで何度か来碧さんとこういう行為に及ぶ時、重点的に触れることはなかった部位ではある。 だが少なくとも俺の知っている限りで同意無しが2回、もしかしたらそれ以上の可能性も否定は出来ないし、過去に俺以外の他の誰かと交際していればこういった経験があるのでは無いかと思ったのだが…。 「おま、お前…は……何か勘違いしてると…思う…」 「かん、ちがい…?」 頬を膨らめた来碧さんを見て初めて、そういえば俺と同い年なんだなって呑気な考えが頭に浮かんだ。

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