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26 side.s

直接触れたわけでも無いのに、既に大きく反り上がった性器の先からは透明な蜜がじわりと滲み出ている。 男のそこに口をつけるのは初めてだが、不思議と嫌悪感は無い。 同じく濡れ始めていた後の蕾に人差し指を引っ掛けながら、竿の裏側を付け根からじっくり舐め上げた。 「ひっ、ぁ……どこ、舐めてン…ッ」 「した事無くても、気持ちいいだろうなって…わかるのは、俺達の便利なところだよね」 「おま、ぇ…なぁ……っ、も、さいあく…っゔぁ…ッ」 「αとΩだからだ」と、同僚に言われた言葉が脳裏を過ぎる。 確かにそれも否定は出来ないのだろう。 だが、俺達はそうじゃない。少なくとも、俺は。 相手が“来碧さん”だから。 自分がαだとか、来碧さんがΩだとかは多分あまり関係ない。 愛おしい人の、こんなにも可愛らしい姿を見せられて興奮しない方がおかしいだろ。 口内に広がる苦味、酸味、青臭さを混ぜ合わせたような何とも形容し難い味わい。 美味しくもないのに、もっとその味を感じていたいと思うのはどうしてだろう。 喉の奥で先端を押し潰し、息苦しさに喜びさえも感じつつ、更に濡れていく後ろに指を挿し込んだ。 内壁は突然の訪問者に驚き、ほんの隙も与えず絡みつく。 吐息の間に聞こえる微かな嬌声と連動し、きゅうっと締まるソコは言うまでもなく窮屈で。 こんな所に、本当に俺のが挿入っていたのかと疑問に思う。 「…もう少し、力抜ける?」 「む、りぃ……一緒、ほんとに…っあ、たま…言う事聞かなぁ……」 行為への恐怖心から来ているのかと来碧さんの顔色を伺うが、もはや考えるだけの余裕も持てていないだけらしい。腰が跳ね上がる度、身に起こる反射的な行動に戸惑っているようだった。 俺の唾液と来碧さん自身の蜜で随分滑らかになった性器は、先端に重点を置いた口と、竿を上下に扱く左手で絶頂へと導く。 もう片方は指の腹で内壁を擦り上げるよう左右に動かし、反応を楽しんだ。 途中、ふっくらとしたしこりに当たった途端しなやかな脚はガクガクと大袈裟に震え始めて。 「ここ?…って、脚閉じないでよ」 「もう…やっだァ……!やめ、そこ…い、ゃ……」 枕だったり、シーツだったりを手当たり次第に握りしめていた彼の手が俺の髪を掴んだ。 正直痛いので辞めて欲しかったが、それが快楽を我慢しきれないが故のものだと確信している以上、嬉しさの方が余程か勝っている。 筋を伝う蜜が俺の手にまで滴り、本気で毟り取らんとする来碧さんの力強さに限界が近い事を悟った俺は ──ここでまた一つ、意地悪な質問をぶつけた。 「嫌なの?…俺に触られるの、いやだ?」 「ふ、ぁ……ンっ、ちが…違くて…っ」 「じゃあ、何がやだ?」 ビクビクと痙攣を繰り返す身体を知っていながら、それまでの刺激全てをピタリと辞めて問う。 文字通り寸止めの状態で、冷静な返答など求めてはいない。

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