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腹部に回った腕を撫で、筋張った手の甲に自分のそれを重ねた。 首元をチクチクと刺す綾木の髪に若干のくすぐったさを覚えながらも、馴染んでいく体温はすごく心地良い。 「このまま入ってもいい?」 「……ん、ぅ」 絡み合う右手が後ろに誘われ、それは綾木の昂りへと辿り着く。 限界まで張り詰めて熱を持つそれに驚き、反射的に手を引こうとした…が、綾木に押さえ込まれて動かす事は出来なくて。 「…ごめん、来碧さんに触っててほしい。 ねえ、自分で挿れていってみて…?」 「俺……から?」 「そう。このまま、腰…浮かせてさ。 ココ持ったまま、ゆっくりでいいから」 「ぅ……わ、わか…た……」 どうしてこうも無理な事を言ってくるのか。 綾木は少し意地悪だ。 こんな事…今までにした事ないのに──。 …いや待て、あるな。 思い出したのは昨年のクリスマスイブの夜。 彼との初めて。強引に行為を強いる浅はかだった自分。 あの時、綾木は唇を噛み、歯を食いしばって自身を殺して、耐えて…ひたすらに耐えて……。 今とは違う、恋人ですらなかった頃の話だ。 時間にしてみればそこまで昔という訳でもないのに、たった数ヶ月で俺達の関係性は大きく変わった。 共に想い合い、共に求め合う、溺れてしまうほど深い、愛のある行為。それがわかるだけで、あの日と同じこの行為が全くの別物に思える。 触れた昂ぶりから伝わる脈動に 愛おしさが飽和し、もう何も考えられない。 発情時と同様…いや、もしかしたらそれ以上に濡れている自身の後孔へ、硬く反ったそれを擦りつけ ゆっくりと、沈めていく。 「…ッはぁ」 頸にかかる吐息は熱を増し、それに靡いて揺れた髪の毛一本すら性感帯になり果てたかのように肩が跳ねた。 やば、い…っコレ、だめだ…… 今までと全然違う…っ。 「あ、ぁアっ……ひぅ…まっ……て、むりッ」 これまでと明らかに異なる違和感に、思わず動きを制止する。 だが、綾木に腰を掴まれた拍子に自らバランスを崩し、天を向く昂りは一気に俺の腹を貫いた。

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