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第二章・秘密の夜
バスから上がった健を待っていたのは、温かなミルクティーだった。
「僕がお風呂から出るまで、これで温まっていてください」
「ありがとう。でも、ソファで寝ちゃうかもよ?」
それでもいい、と言い残し、未悠はバスルームに入って行った。
紅茶は、茶葉から淹れた本格的な味がした。
「私もたいがい怪しいけど、あの子も秘密の匂いがするな」
ソファでミルクティーを味わいながら、健はあたりを見渡した。
天井が高く、空間を贅沢に取った、豪勢な造りのマンション。
「こんな高級マンションに、一人で住んでるのか?」
一体、なぜ。
身の上を細かく尋ねる気はなかったが、何か引っかかる。
「気にしてる? 私が、あの子を」
見たところ、まだ10代の少年だ。
健の恋愛対象には、入らない。
「まぁ、なるようになるさ」
お茶を飲み干すころに、未悠はバスを終えてやって来た。
「あ、眠ってなかったんですね」
「嬉しそうな口ぶりだな」
「できれば、起きてて欲しかったから……」
急いで髪を乾かした未悠は、健を寝室へ連れて行った。
そこには、大きなベッドが一つ。
健は、途端に落ち着かなくなってきた。
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