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第二章・2

「まさか、このベッドに二人で?」 「そうですよ。いけませんか?」  いや、待って。  健は未悠の肩に、手を置いた。 「君は、まだ若い。もっと自分を、大切にした方がいい」 「え?」 「行きずりの男と、寝るなんて。親御さんが知ったら、悲しむぞ」  それにはすぐに答えず、未悠は健の手を引いてベッドに上がった。 「僕、両親はいませんから」  2年ほど前に、亡くなった。 「交通事故で、二人一度に。一瞬にして僕は孤児になりました」 「そうだったのか。すまない」 「伯父が面倒を見てくれることになったんですが、このマンションに独り住まいです」 「マンションは、伯父さんが買ってくれたのか?」 「はい。でも伯父は、僕を嫌っていて。それでほとんど会いません」  嫌い、だなんて。  こんなに可愛らしくて気立てのいい子を、嫌う人間がいるのか?  健の疑問はもっともだった。  サラサラの栗色の髪に、白い肌。  形よく整った目鼻立ちは、その配列も黄金比だ。  すらりと長い手足も、バランスがいい。  こくり、と健の喉が動いた。

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