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第三章・6
「潜入捜査、って。この学園に、何かあるんですか?」
「うん。それは、その」
知ってしまえば、未悠に何かあるかもしれない、と健はまだ渋っていた。
「僕、これでも牙や爪があるんですよ。普通のヒトより、城嶋さんの役に立てるかもしれません」
「しかし」
「縁があったらまた会おう、って言ってくれたじゃないですか。縁、あったんですよ」
「そうだなぁ」
健は、未悠の目を見た。
これは、絶対にあきらめない眼差しだ。
決意を固め、この心配症のウルフガイは未悠に打ち明けた。
「先だって、人身売買の事件を嗅ぎまわってる、って話したよね」
「はい」
「この学園からも、被害者が出てるっぽいんだよ」
「えっ」
未悠は、息を詰めて健の話を聞いた。
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