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第四章・4

「あの、健さん。お願いがあるんですけど」 「今から、風呂に……」 「一緒に、お風呂に入りたいんです!」 「えっ!?」  うつむいて頬を染め、照れる割には大胆なことを言う未悠だ。 「僕の全てを、しっかり見て欲しいんです。もちろん、健さんも、見たいです」 「えっと、それは。獣体を、ということかな?」 「はい」  他人に獣体を進んで見せることは、ほとんどない。  見せるとしても、敵に脅しの効果を期待してのことだ。  過去に愛した人に、見せたこともない。  しかし、未悠は久々に出会った、自分以外の獣人だ。  好奇心はあったし、好意も持っていた。  いいよ、と良い返事をし、健はバスルームで未悠を待った。  ボディソープで体を洗い、シャンプーをシャワーで流している時に、ドアが開く気配がした。  そこには、素裸の未悠が立っていた。  まだ獣化していない、むき出しの肌の体だ。  その美しさに、健はつい口笛を吹いていた。 「もう。茶化さないでください」 「いや、あんまり綺麗だから」  すでに毛むくじゃらの自分とは、大違いだ。 「見るかい? 私の体」 「はい」  未悠は近づき、ひざまずいて健に触れた。

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